郵便局内で利用者をターゲットに、政治活動の「支援者獲得」を行うよう求める指示が郵便局長会内で出ていたことが明らかになり、大きな問題となっています。
複数の地方郵便局長会の内部資料によると、近畿地方会の昨夏の文書では、2022年の参院選に向けて「1人80世帯以上の支援者づくり」を絶対目標に掲げ、達成のために「ロビー活動で1週間3世帯確保」を求めているそうです。
「ロビー活動」は局内ロビーでの顧客対応を指し、狙いをつけた顧客にカレンダーを渡し、支援者名簿に追加するよう指示されています。
また、京都府のある局長会で昨秋配られた文書には、「窓口に来るお客さまの日ごろの利用状況から“この人なら後援会に入会してもらえる、投票依頼ができる”という人を見付け、リストアップしていく」などと記載されていたとのことです。
この問題について、個人情報の目的外利用などにあたる恐れがあると専門家から指摘されていますが、一方の日本郵便は「指示はしたが実行はされていない」とし、本格的な調査に後ろ向きな姿勢を示しています。
各地の郵便局長たちは現在も、「郵政事業を守るために票を集めることが最大の任務」などと教え込まれ、局長の妻まで政治活動に協力させられているとのことです。
○郵政事業守るため「票集めが最大の任務」政治活動強いられる局長
ある郵便局長によると、3年に1度の参院選では「1人30票」が目標で、「全国郵便局長会」の組織内候補の支援者を常に100人確保するよう指示されていると証言しています。
選挙が近付けば、勤務後や休日に支援者宅を回り、毎週のように支援者名簿の報告を求められ、役員局長から「本当に投票してくれる人は何人いるのか」と問い詰められ、支援者数の少ない同僚は会議の場で「何のために局長になったんだ」と叱責されていたとも語っています。
このように日本郵便が政治活動を本格的に行うようになったのは、2007年の郵政民営化がきっかけだとのことです。
民営化によって日本郵政は竹中平蔵と創価学会に乗っ取られましたが、そこから自民党を積極的に支援するようになったようです。
そして、日本郵政の票田によって、全国郵便局長の会長・柘植芳文(つげよしふみ)が参議院議員となっています。
○【創価による郵政民営化の失敗】日本郵政、豪トール不採算部門売却へ 損失700億円計上
柘植芳文は、19年の参院選で当選した際、局長たちを前に「常に戦う、強い局長会でなければ、これからの郵政事業は守っていけない」などと述べ、局長らを脅して選挙活動を無理やり継続させようと仕向けたようです。
日本郵政は、選挙活動に協力させられ、厳しいノルマやパワハラにも耐えながら働かなければならない地獄のような職場と化し、顧客の個人情報までも悪用する悪徳企業となってしまいました。
このように日本郵便も私たち国民が安心して利用できる企業ではなくなりましたので、局員からどんな話を持ちかけられても、安易に信じないように用心しなければなりません。
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