
格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションの機長と副操縦士が今年1月、航空法で義務付けられたアルコール検査を実施せずに乗務していたなどとして、国土交通省は厳重注意の行政指導を行いました。
ピーチ パイロット2人が飲酒検査せずに乗務 国交省が厳重注意https://t.co/mtzJliW7CX #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) February 14, 2025
ピーチ・アビエーションの運航規定では、乗務開始12時間以内の飲酒を禁止しており、法律に基づいて乗務前にアルコール検査を行うことになっています。
しかし機長は、勤務開始のおよそ11時間前、運航規程での禁酒時間内だと知りながら缶ビール2本を飲んだ上、その後の会社からの聞き取りに対し、「それより前に飲んだ」と虚偽の説明をしたとのことです。
また、機長は副操縦士とともに、検知器を使った乗務前のアルコール検査を行わず、シンガポール発関西空港行きの便に乗務していました。
聞き取りの際、2人は「不慣れな空港で運航に意識が向いており、検査することを失念してしまった」と話したほか、機長は虚偽の説明について「バレないと思った」と話したとのことです。
これを受け、国交省は機長の行為が悪質で、同社の安全管理が十分に機能していなかったと判断し、3月7日までに再発防止策を提出するよう求めました。
航空機パイロットは過酷な労働環境やストレスから精神的な問題を抱え、乗務前の飲酒によって逮捕されたり、厳重注意を受けるケースが相次いでいます。
◯JAL機長2人、乗務前検査のアルコール検出で3時間の遅延 今年4月にもJAL機長が飲酒、国土交通省に再発防止策を提出していたことが判明
2017年にハーバード大学公衆衛生大学院のチームが『Environmental Health』に発表した研究によると、アンケートに協力した1848人の民間パイロットのうち233人(12.6%)が、うつ病の診断基準を満たす状態で、調査前の2週間に自殺を考えたと答えたパイロットは4%に達したとのことです。
2015年3月にはドイツの格安航空会社「ジャーマンウイングス」の副操縦士が精神を病み、フライト中に故意に機体を墜落させ、乗客乗員150名の命を奪う事件も発生しました。
再発防止策が徹底され、空の安全が守られますことを心から祈ります。
◯トルコ航空の男性機長が飛行中に急死 パイロットや客室乗務員の突然死が相次ぐ
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