中国の検察当局は、昨年3月に拘束したアステラス製薬の日本人男性社員をスパイ罪で起訴しました。
拘束されている男性は、アステラス製薬の現地法人の幹部で、20年の中国勤務経験があり、日系企業でつくる中国日本商会の要職にも就いていましたが、昨年3月、スパイ行為に関わったとして中国の首都・北京で逮捕され、これまで1年5か月にわたって拘束状態に置かれてきました。
具体的にどういった行為が違法行為とみなされたのか、その詳細な理由や、今後の審理の予定などは、一切明らかになっていないとのことです。
こうした中、中国政府が男性を拘束した理由について、中国で行われている臓器移植にアステラス製薬が深く関与しているため、「帰国直前の男性から情報を聞き出す『逆スパイ』が狙いではないか」との憶測を呼んでいます。
◯中国「スパイ罪」で日本人拘束は「臓器ヤミ移植」暴露に怯える中国の「逆スパイ行為」だった
現在、アステラス製薬は「プログラフ」と呼ばれる免疫抑制剤を販売していますが、この薬は中国で臓器移植の際に用いられ、各病院におけるプログラフの使用頻度を見れば、どの程度の移植が行われたかが把握できると言われています。
欧米の人権団体によると、中国では年間6万から10万件の臓器移植が行われているとのことですが、拘束したウイグル人や法輪功学習者などから生きたまま臓器を取り出し、患者に提供していることが大きな問題となっています。
そのため中国政府は、プログラフの消費量から臓器移植件数などの実態が把握されることを恐れ、アステラス製薬の幹部社員を拘束している可能性が高いともみられています。
違法な手段で臓器移植を繰り返し、暴利を貪る中国人たちと、それに関与する者たちが全て厳正に裁かれますことを心から祈ります。
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