人材派遣会社「パソナ」は10日、自治体から請け負っていた、コロナワクチン接種予約の電話受け付け業務で、大阪と兵庫の3市（枚方市、同府吹田市、西宮市）に委託料計約10億8000万円を過大請求していたと発表しました。
パソナによると、必要なオペレーター数を3市と定期的に確認し、コールセンター業務などを手がける「エテル」に電話受け付け業務を再委託していたそうですが、「エテル」はパソナに対し、オペレーターの人数を実際の数よりも水増して報告したり、電話対応実績を虚偽報告をしていたとのことです。
2022年11月1日、枚方市からパソナに対し、その日に報告された電話対応完了数が約3500件であるにもかかわらず、ワクチン接種の予約完了数がわずか約750件しかないと指摘があり、不正が発覚。
これを受け、パソナがエテルのコールセンターを調べると、その日は100人のオペレーターを配置していたはずが、実際には33人しかいなかったとのことです。
同市では業務委託を始めた2021年3月1日～22年12月4日の間、延べ約2万7000人のオペレーターが配置される契約でしたが、実際は75％の約2万500人しか確保されていなかったことが判明しました。
また、西宮市においても、契約期間のオペレーターの配置が平均で契約の58％、吹田市では73％しか配置されていなかったとのことです。
これまでパソナは、政府や自治体から業務委託を受ける度に、莫大な血税を中抜きし、幾度も激しい批判を浴びてきましたが、今回、再委託先による不正まで発覚したため、「パソナと電通を日本の産業界から追放するべきでは」「再委託なんて中抜きし放題だから論外です」といった批判や、「刑事告発しない時点で自治体はパソナと共犯だな」と、自治体とパソナの癒着を指摘する声も上がっています。
今回の一件で、パソナはエテルに対して損害賠償を求める構えですが、そもそも自治体から委託された事業を、中抜きを目的に再委託していたパソナにも大きな問題があると言わざるをえません。
事件の全容が全て解明され、中抜きを繰り返して血税で懐を潤してきたパソナとその関連企業に厳格な裁きが下りますことを心から祈ります。
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