政治団体「NHKから国民を守る党（N国党）」の立花孝志党首が、「反社会的カルト集団」などとXに投稿され名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの男性に160万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、名誉毀損を認めず、請求を棄却しました。
ちだいさんvs立花さん。「N国党は反社会的カルト集団」か？裁判の判決後、ちだいさん勝訴記者会見の注目部分。 pic.twitter.com/NtPFE56nXc
— 水澤 奈緒 (@Nicca54751884) November 27, 2024
今年6月、「選挙ウォッチャーちだい」の名で活動する石渡智大は、N国党が東京都知事選挙の際、選挙掲示板に個人を中傷する内容のポスターを大量に貼り出していた問題について、「反社会的カルト集団『NHKから国民を守る党』は、立花孝志はもちろん、こうしたことを支持しているN国信者たちにも大きな問題があります」と指摘したほか、動画配信サイトでも「サリンをまかないオウムみたいなもん」などと発言しました。
渋谷区の中学校の前に貼られているポスターです。三浦春馬さんのイラストが無断で使用されているポスターのあった掲示板です。反社会的カルト集団「NHKから国民を守る党」は、立花孝志はもちろん、こうしたことを支持しているN国信者たちにも大きな問題があります。明日、正式に記事にします。 pic.twitter.com/ez01rnLTL1
— 選挙ウォッチャーちだい (@chidaisan) June 28, 2024
これに対し、N国党の立花孝志党首が、「反社会的カルト集団」といった論評は「名誉毀損にあたる」と主張、石渡智大を被告とし、賠償を求める民事訴訟を提起していました。
しかし石渡智大が、N国党を「反社会的カルト集団」と論評した根拠となる18の事実を法廷で主張したところ、N国党側は大半について事実関係を争わなかったため、「裁判上の自白」（民事訴訟法179条）が成立することとなりました。
東京地裁の阿部雅彦裁判長は、判決で、立花孝志党首が「犯罪行為や不法行為を繰り返してきたのみならず、自らに批判的な言論活動を行う第三者への迷惑行為を支持者に促し、テロや民族虐殺をも辞さないかのような発言をしていた」と指摘。
また石渡智大の投稿や発言について、公益を図る目的で「前提事実の重要部分は真実と認められる」と判断しました。
また、立花孝志がこれまで脅迫、威力業務妨害、不正競争防止法違反等の違法行為により有罪判決を受けていることを踏まえ、裁判長はN国党について「違法な行為を平然と繰り返す盲目的な集団又は団体」と判決文に記載しています。
【選挙ウォッチャー】 ＮＨＫから国民を守る党・動向チェック（＃５４１）。
判決文の抜粋：
本件各表現行為は、上記アに掲げたとおり、原告代表者やその関係者や支持者において犯罪行為や不法行為を次々と行い、原告代表者が法律を遵守しない意思を明確にしていたことなどを踏まえて、原告について、これを違法な行為を平然と繰り返す盲目的な集団又は団体と評価して「反社会的カルト集団」と表現し、また、犯罪行為等を平然かつ盲目的に繰り返す集団又は団体として「オウムと一緒」「オウムみたいなもん」と表現したものであって、このような表現行為について、原告代表者等による上記行為等に対する意見及び論評としての論旨から逸脱し、主題を離れて人身攻撃のように原告を攻撃するような表現であったとまではいえない。
判決後の会見で、石渡智大は「裁判所は、N国党を『反社会的カルト集団』と呼んでもなんら問題がないとの判断を示したということを意味する。 裁判官が事実関係に詳細に踏み込んで、N国党と代表の立花氏が行ってきた行為の『反社会性』を認定したことは大きい」と話しました。
今後、仮にN国党が控訴したとしても、「裁判上の自白」の成立により、地裁での事実認定が高裁で覆る可能性はほぼないと見られています。
犯罪行為を繰り返し、社会を混乱させる悪人たちが一掃され、真に国民の益となる政治が行われますことを心から祈ります。
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