EUの最高裁判所にあたる欧州司法裁判所は10日、アイルランド政府による米アップルへの税制優遇は違法だとして、同社に最大130億ユーロ(約2兆円)の追徴課税を行うよう求めたEU欧州委員会の決定を支持する判決を下しました。
アップルは、2003年から2014年にかけて、アイルランドの税制、オランダとの租税条約を組み合わせた「ダブル・アイリッシュ、ダッチ・サンドイッチ」と呼ばれる究極の節税スキームを用いた上で、アイルランド政府との個別交渉も行い、同国で定められた法人税率(12.5%)よりもはるかに低い2%を下回る税率で納税していました。
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この状況を問題視した欧州委員会は2016年、アイルランド政府によるアップルへの法人税の優遇措置は違法だとして、最大で130億ユーロ(約2兆1000億円)の追徴課税を行うようアイルランド政府に命じました。
アイルランド政府とアップルはこれを不服として裁判所に提訴した結果、2020年の下級審で欧州委員会の決定を無効とする判断が下されました。
しかし、欧州司法裁判所は10日、下級審での決定を棄却し、欧州委員会の決定を支持する判決を下しました。
アップルは2018年に利息を加えた143億ユーロを仮払いの形で第三者の口座に納付済みで、この資金がアイルランド政府に移転されることになります。
不公正な取引が厳しく取り締まられ、全ての分野において公正な経済活動が成されますことを心から祈ります。
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