滋賀県・甲賀広域行政組合消防本部の今年度における退職者が、コロナワクチン接種の強制、暴言などといった「ハラスメント」の影響で、全職員の1割にあたる計20人に達したことが判明しました。
同本部では2021年、健康上の理由でワクチンを接種しなかった職員(警防課)を課外の共用スペースに移し、退職に追いやるというハラスメントの実態が明らかになり、大きな波紋を呼びました。
○甲賀広域行政組合消防本部(滋賀県甲賀市)の幹部ら、コロナワクチンを接種しなかった職員全員を退職に追いやっていたことが発覚
○滋賀県の消防本部、コロナワクチン未接種の職員を村八分にし、退職に追い込む 本部は「適切な対応だった」と説明
また、2022年には「幹部職員によるパワーハラスメントがあった」との匿名文書も届いたため、第三者調査委員会が設置されることになりました。
調査委員会は、今年1月に実施した全職員と退職者の計208人へのアンケートで、「ハラスメント被害を受けた」とする割合が、回答者184人の4割近くに上ったことを明らかにしました。
○全職員と退職者4割近く「ハラスメント受けた」…甲賀消防、実名で名指しの「加害者」28人
ハラスメント行為をしたと実名で名指しされた職員は28人に上り、組織内で嫌がらせ行為が横行していた可能性が高いとみられています。
ハラスメントを受けたのは一般職員が多く、行為者として名指しされた相手は管理職が多かったとのことです。
ハラスメントの内容は、ワクチン接種の強制のほか、暴言や身体への暴力行為、職場での嫌がらせなどで、中には「10年以上前から受けていた」「ハラスメント被害の写真もある」との回答もあったそうです。
今年度の退職者20人のうち7人が救急救命士であるため、職員らの間では救急活動への影響を懸念する声も上がっています。
3月末で退職予定の男性救命士は、「救命士を含む職員が次々に辞めていき、残った救命士に負担が集中している。組織にはもっと早く対策を取ってほしかった」「責任が重い上に休みも取れず、押しつぶされてしまった。人命がかかる仕事にリスクを負いたくないと思うようになった」と苦しい胸の内を語っています。
卑劣なハラスメントによって人々の生活や心身までも破壊する悪人たちが、全て厳正に裁かれますことを心から祈ります。
○【全国有志看護師の会】文科省などにワクチンハラスメントの改善を求める1万3775万人分の署名を提出
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