中国政府が、2・3年ほど前から個人でのパスポートの所持や出国の規制を強化していることが判明しました。
規制の対象となっているのは、一般の公務員・銀行員・教師・医療従事者・金融従事者・政府系金融機関の従業員などです。
元々、パスポートを職場に預ける制度は、管理職など限られた人にしか適用されていなかったそうですが、コロナパンデミック以降、一般の職員にまで広がっているそうです。
昨年、江西省のある大学では、全ての教員に対し、パスポートを提出するよう通達があり、出国する場合は事前に報告しなければならなくなったそうです。
その他にも、自身の個人情報・子供の留学先・支出の詳細・海外貯金の額・国内に保有している資産などの詳細までも報告するよう義務付けられました。
また、元政府高官によると、公務員はパスポートの提出とあわせて、指定された監視アプリのインストールを義務付けられ、政府から常に動向を追跡されている状況にあるとのことです。
元政府高官は、中国政府によるパスポート所持の規制について、「すべての国民を政府と緊密に結びつけ、あらゆる逃げ道を断つためだと思う」と指摘しています。
また、「実際、私の周りにいる90%以上の体制内の人々は、中国の現状に非常に不満を持っている。私の友人や同級生の中には警察官、国家安全局の職員、旅行会社の経営者なども含まれており、彼らは強制的なパスポート提出と携帯電話への監視アプリのインストール政策に非常に不快感を抱いている」と話しています。
近年、中国の富裕層らは、ゼロコロナ政策や経済が悪化していく現状に危機感を抱き、資産を海外に移し、次々と脱出を図っていますが、政府もありとあらゆる手段を講じ、これ以上、富裕層や資金を流出させまいとしているとみられます。
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アメリカ在住の人権活動家「界立建(かい・りっけん)」氏は、本土に残された中国共産党員について、「体制内の人々、特に公務員の多くは、かつて中国当局の悪事を執行する者であり、反体制派に暴力をふるう立場にありましたが、結局は政府の管理対象にもなっている」と分析。
「彼らは党の一員だと思っているが、最終的には出国を制限され、退路を失い、政府の支配と経済の安定を維持するために利用される駒になっている」と話しています。
コロナ禍が開けて以降、日本を訪れる中国人の数が一向に回復していないと報じられていますが、こうした中国政府による出国規制も大きく関係していると考えられます。
卑劣な破壊工作によって全世界を脅かしてきた中国共産党員たちが、一人残らず厳正に裁かれますことを心から祈ります。
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