参院本会議で2日、健康保険証を廃止して「マイナ保険証」に統一するマイナンバー法など改正関連法が、与党や日本維新の会の賛成多数で可決・成立しました。
現在、マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいますが、政府は「税」と「社会保障」、「災害」の3分野に厳しく限定してきた利用範囲に「その他」を加え、マイナンバーの用途をさらに広げていく方針です。
加えて、マイナンバーカードの利用を促進するため、「特急発行・交付」を新たに創設するとのことです。
同法の成立により、これまで任意だったマイナンバーカードの取得が、事実上義務付けられる形となりましたが、日弁連などは「事実上の強制は違法」だとして、以前から反対の声を上げていました。
日弁連は、マイナンバーについて「悉皆(しっかい)性、唯一無二性を持つ原則生涯不変の個人識別番号であることから、その利用分野・事務を拡大すれば、より広範な個人情報が番号にひも付けられた上、漏れなく・他人の情報と紛れることなく名寄せされデータマッチング(プロファイリング)されてしまう危険性が高まる」と警鐘を鳴らしてきました。
(※悉皆:一つ残らず全部。ことごとく。という意味)
また、マイナンバーと銀行口座の紐付けについて、「名義人の積極的な同意を求めるべきであり、名義人が知らないうちに紐付けされてしまうような方法をとるべきではない」とし、マイナンバーの利用促進は「プライバシー保障上の危険性が極めて高まるものといわなければならない」と主張しています。
日弁連によると、2023年3月9日のマイナンバー制度に関する最高裁判所判決においても、具体的な法制度やシステムの内容次第では、このような危険が生じ得ることが指摘されているとのことです。
○マイナンバー(個人番号)利用促進の法改正の再検討を求める会長声明
ヤフーニュースのコメント欄では、「これから起きるであろう新たなパンデミックが来た時にマイナンバーカードでワクチン接種の有無が政府に管理される、なんか恐ろしい事になりそう」「今は毎年健康保険証が市町村から送られてくるが、マイナンバーカードは5年に一度役所に出向いて更新しなくてはならない。介護施設に入所している高齢者や、障碍者はどうなるのか?国民皆保険制度の崩壊につながる問題だと思う」など、懸念の声が数多く上がっています。
マイナンバーカードの普及を強行し、国民の生活を脅かす悪徳政治家たちが全て厳正に裁かれますことを心から祈ります。
○『マイナ保険証』に2人以上の個人情報を紐づけ可能なことが発覚 やはりマイナンバー制度は『背乗り』の迅速化が目的か
○【三重県松阪市】マイナンバーカードに別人の写真が貼られるトラブル 職員から「写真を紛失したため、余っていたものを適当に貼り付けた」と説明される
○【国会で暴露】マイナンバーに他人の銀行口座が紐付けられていたトラブルを、デジタル庁が福島市に隠蔽するよう指示 マイナンバーは誰の口座でも紐付け可能
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