集団性的暴行容疑で起訴されていた滋賀医大の男子学生3人のうち2人が、18日の大阪高裁の控訴審判決で逆転無罪となり、物議を醸しています。
滋賀医科大学医学部の学生、長田知大(当時24)、片倉健吾(同24)、木下淳弘(同26)の3人は2022年、知人の女子大学生に集団で性的暴行を加えた上、その様子をスマートフォンで撮影したとして強制性交容疑で逮捕、起訴されました。
このうち長田知大は、2023年1月の大津地裁判決で懲役5年6月(求刑懲役8年)が言い渡され、既に刑が確定しています。
長田知大について、大森直子裁判長は「被害者が苦しいと言っても意に介さず、人格を無視した卑劣で悪質な犯行態様」と批判、「被告はいずれの性交などの場面にも立ち会い、中心的な役割を果たしている」と指摘していました。
一方、片倉健吾と木下淳弘の両名も、長田知大と共謀して性的暴行をしたとして同罪で起訴され、一審判決で片倉健吾に懲役5年、木下淳弘に懲役2年6か月の判決が言い渡されていました。
その後、この2人は一審の判決を不服として控訴し、18日に大阪高裁で開かれた控訴審判決で「2人の行為や発言が暴行・脅迫に当たるとは認められず、女子学生の同意があった疑いを払拭できない」と判断され、一審とは異なり逆転無罪が言い渡されました。
飯島健太郎裁判長は、判決理由について「女子学生は自身に不利な行動を隠す供述をしていたのに1審は十分な検討をせずに信用できるとしたのは不合理である」と指摘、「2人の行為や発言が暴行・脅迫に当たるとは認められず、女子学生の同意があった疑いを払拭できない」と説明しました。
また飯島裁判長は、性的暴行の様子を撮影した動画に、「やめてください」「絶対だめ」「嫌だ」といった女性の拒否する声や男3人とのやり取りについて「性的な行為の際に見られることもある卑猥な発言という範疇のもの」としています。
一審では男性3人と被害女性のやり取りについて「被害者が性行為を拒否し、抵抗していた」と判断されたものの、二審では女性の拒否する声も「あくまで行為の一環」と判断されたものと見られます。
飯島裁判長は、女子大学生について「動画の拡散防止を警察に相談していた」とし、「目的達成のため誇張して説明する動機があった」と指摘。
「女子大学生は相当量の酒を飲み、性的行為が始まった際の記憶がない一方、途中からの状況は詳しく説明している」とし、「衝撃が大きい最初の行為を覚えていないのは不自然だ」とも言及しました。
この一連の裁判について、ネット上では飯島裁判長の判断を疑問視する声が殺到、今回の判例を悪用した性犯罪が相次ぐ可能性を懸念する声が上がっています。
また、「大阪高裁の“医大生による性的暴行”逆転無罪に対する反対意思を表明します」と題する署名活動がネット上で展開され、わずか3日間で10万人超の署名が集まり、「大阪家庭裁判所事務局」「裁判官訴追委員会」「検察庁」のいずれかに送付される見通しとなっています。
その一方で、このような裁判批判を抑圧しようとする動きも高まっており、SNS上では佐藤倫子弁護士が「大阪高裁判決を出した裁判官を【裁判官訴追委員会】に訴追する、つまり裁判官としての地位まで奪おうとする署名は危険」と訴えました。
しかし飯島裁判長の判断は、過去の裁判でも疑問視されており、2017年に発生した「神戸市北区5人殺傷事件」では、祖父母や近隣住民ら5人を殺傷したとして、殺人などの罪に問われた竹島叶実(かなみ)について、心神喪失を理由に一審で無罪判決を言い渡した経緯があり、今回の判断にも疑念の目が向けられています。
◯【大阪高裁】神戸で祖父母や近隣住民5人を殺傷した男に無罪判決 心神喪失を理由に 遺族「人を殺して罰せられない理由が分からない」男は創価信者の疑い
◯神戸市北区5人殺傷事件の犯人「竹島叶実」は創価学会員だった!! 神戸地裁は刑事責任能力を認めず無罪判決
全ての裁判において、公正公義な判決が下されますことを心から祈ります。
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