今月9日、東京保険医協会の医師・歯科医師ら1415人が、マイナ保険証を運用するシステムの導入を義務付けたのは違法だとして国を提訴しました。
政府は昨年4月、マイナ保険証の普及のため、オンラインで資格情報の確認を行うシステムの導入を医療機関・薬局に対し義務付けましたが、システムの不具合などが相次ぎ、大きな問題となっています。
また、医療現場からは、システム導入時や点検時の費用負担、電子データの漏えいリスクなどを懸念する声が依然として根強く上がっています。
昨年2月に、原告の医師らが東京地裁へ提出した訴状によると、負担の大きさなどから「1割程度の保険医療機関が廃業も検討せざるを得ない状況となっている」とのことです。
原告の医師らは、政府によるオンライン資格確認の義務付けについて、憲法によって保証された「医療活動の自由」に対する権利侵害だと主張しています。
原告弁護団代表・喜田村洋一弁護士は、「この訴訟で国は、自分たちがやろうとしていることがなぜ合理的なのかを明らかにしなければなりません。そして裁判所は、9月13日に提出する書面で主張を出しきるよう、国にハッキリと通告しました。一方われわれ原告に対しては、次の口頭弁論後に追加で主張したければ、異例ではあるが書面提出も可能と言っています。次回に結審することはほぼ間違いないだろうと思いますし、結論を大いに期待できるのではないでしょうか」と話しています。
弁護団は判決が出る時期について11月下旬ごろと見ており、喜田村弁護士は「『義務ではない』と認められれば、マイナ保険証しか手に入らなくなった状況で医療機関側がオンライン資格確認を拒否した場合にどうするのかという実務上の問題は出てきます。よって、国は何らかの対応をしなければならないのではないか…と想像しています」との見解を示しています。
これまで政府は、医療機関にも国民に対しても、マイナ保険証の普及を“ゴリ押し”してきましたが、裁判の結果次第で、その流れが大きく変わる可能性があります。
国民の声に耳を傾けようとしない政治家たちが一掃され、民意の反映された真っ当な政治が行われますことを心から祈ります。
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