連載小説 – プレトとルリスの冒険

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【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第78話・隣国の怪しいスパイス」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第78話・隣国の怪しいスパイス」by RAPT×TOPAZ

翌日、製薬会社がラピス溶液の材料を偽っていたことが、ネットニュースで報じられた。製薬会社はレシピについての詳しい声明をまだ出していないようだが、材料を偽って大きな利益を出していたことは国民に広く知れ渡ったようだ。こうして製薬会社の信用が失墜...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第77話・ラピス溶液のレシピ公開」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第77話・ラピス溶液のレシピ公開」by RAPT×TOPAZ

その後もパラライトアルミニウムの注文がいくつか入り、二人は梱包作業に追われた。その日の分を発送すると、どっと疲れが押し寄せてきた。「これはこれで大変だね」ルリスは自身の右手を左手で揉んでいる。「フォロワーが宣伝してくれているから、明日はもっ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第76話・新たな商売」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第76話・新たな商売」by RAPT×TOPAZ

ルリスはリビングに置かれた虹とハロを見て、ぼそっと言った。「あんなに頑張って採取したのに、使い道がなくなっちゃったね」「きれいだけど、こうして見るとめちゃくちゃ場所をとってるよね」「庭に出すと悪目立ちしちゃうし……どこかに埋める?」「虹を埋...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第75話・パクられたムーンマシュマロ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第75話・パクられたムーンマシュマロ」by RAPT×TOPAZ

クライノートを二人でチェックすると、プレトがパラライトアルミニウムに沈められている動画について、様々な憶測が飛び交っていた。主に「悪い陰謀論者だから罰を与えられている」「所長側の人間だったが、裏切ったために報いを受けている」「正しいことをし...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第74話・殺人未遂の映像」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第74話・殺人未遂の映像」by RAPT×TOPAZ

「警察の対応、どうだった?」戻ってきたルリスに質問した。「ありえない。本当にありえない。人員を総入れ替えした方がいいと思う」ムーンマシュマロの販売を一旦諦め、帰りがてら警察署に立ち寄り、営業妨害をされた旨を訴えてみることにしたのだ。着ぐるみ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第73話・営業妨害」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第73話・営業妨害」by RAPT×TOPAZ

〈ゴライアス〉の投稿に対してコメントを書き込み、少し経つと返信が来た。『ムーンマシュマロのせいで、腎臓に機能障害が現れたと聞いた。腎不全らしい。一体どう責任を取るつもりなんだ』それを見たルリスが、呆れたような声を出した。「腎臓? いやいや、...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第72話・アンチ登場」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第72話・アンチ登場」by RAPT×TOPAZ

翌日、早朝からルリスがムーンマシュマロ作りに励み、急いで梱包したものを昨日と同じ公園へ運んだ。販売の準備をしながらルリスに尋ねた。「ねえ、本当に販売しても大丈夫なんだよね」「もろもろの許可はちゃんと取ってあるから、心配しないで」「了解。でも...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第71話・大好評のムーンマシュマロ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第71話・大好評のムーンマシュマロ」by RAPT×TOPAZ

ルリスが保健所から帰ってきた。「ただいま。製造許可の申請ね、すぐに通ったよ。パンデミックとかワクチン騒ぎのせいで閑散としてるみたい。タイミングよかったー」「順調だね。これ見てくれる?」ルリスに派手なレグルスの写真を見せると、目を皿のように丸...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第70話・思わぬ回避策」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第70話・思わぬ回避策」by RAPT×TOPAZ

このままではムーン液を流通させることができない。解毒剤をみんなに届けることができない。プレトはソファに身体を横たえた。地獄のパラライトアルミニウム責めから生き延びたのに、こんなところでつまずいてしまうなんて。全くやる気が出てこなくなってしま...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第69話・国の圧力」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第69話・国の圧力」by RAPT×TOPAZ

「所長め……」ルリスが恨み言を呟きはじめた。「プレトをパラライトアルミニウムに沈めようだなんて、絶対に許さない。取り巻き連中も……肥溜めに落とした後、土下座させてやる」「もしもあのまま溺死していたら、私の出汁入りパラライトアルミニウムが市場...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第68話・意外な助け」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第68話・意外な助け」by RAPT×TOPAZ

パイプから流れこんでくるパラライトアルミニウムは勢いを増している。あっという間に腰のあたりまでどっぷりと埋まってしまった。「ここから出せ!」屋上に向かって叫んだが、無視された。いっそのこと、帳簿を持ち去ったのは自分だと自白してしまおうか? ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第67話・ワクチンの解毒剤」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第67話・ワクチンの解毒剤」by RAPT×TOPAZ

抱いていたモルモットをケージに戻し、解毒剤の実験を始めた。ルリスは家にある調味料を片っ端からハロに塗りつけている。意外と食用の酢で溶けたりしないかと期待したが、特に変化はなかった。昼過ぎから始めたが、気がつくと夕方になっていた。沈みかけた夕...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第66話・所長の緊急記者会見」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第66話・所長の緊急記者会見」by RAPT×TOPAZ

翌日は休みだったので、プレトとルリスは連れ立って外出した。治験に使う動物を手に入れるため、ペットショップに行くことにしたのだ。「本当は一人で行ければいいんだけど、レグルスがないから動物たちを運べなくて……ごめんね。顔は隠してね。私といるせい...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第65話・秘密の帳簿」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第65話・秘密の帳簿」by RAPT×TOPAZ

プレトは再び、部長補佐からの電話に出た。そして言った。「所長たちが隠している帳簿を探す代わりに、私からもお願いがあります。スパイク肺炎ワクチンの解毒剤を作りたいと思っているのですが、そのサポートをしていただきたいです」「解毒剤? なんですか...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第64話・部長の不正」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第64話・部長の不正」by RAPT×TOPAZ

倉庫内を進み、虹とハロを置いているはずの場所まで来たが、見当たらない。あの大きさの物を見落とすはずはない。困惑しながら忙しなく視線を動かしていると、背後から足音が聞こえてきた。慌てて振り向くと、チユリさんが立っていた。そうか、チユリさんが中...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第63話・突然の部署異動」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第63話・突然の部署異動」by RAPT×TOPAZ

「行ってきまーす!」プレトは錆びた自転車にまたがった。レグルスがない今、研究所への移動手段は徒歩か、この自転車だけだ。「ちょっと待って、これを着けていって」ルリスにサングラスとマスクを渡された。「これは?」「クライノートで顔写真が拡散された...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第62話・同僚からの嫌がらせ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第62話・同僚からの嫌がらせ」by RAPT×TOPAZ

プレトは思いきって質問した。「チユリさん、顔色が悪いようですが、体調でも悪いんですか?」「ううん、体調は大丈夫。でも、研究所の中がとっても最悪で……」「最悪と言いますと、誰かの実験が大失敗したとかですか?」「いいえ。どう言えばいいのか分から...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第61話・研究所への帰還」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第61話・研究所への帰還」by RAPT×TOPAZ

寝ているルリスの身体を揺すっていると、ゴウンと鈍い音がしてデザート号が揺れた。「なになに!」ルリスが跳ね起きた。数秒の間を置いて、再び揺れた。地震ではないようだ。何かがぶつかっているのだ。「まさか、所長からの刺客?」ルリスが不安そうに呟いた...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第60話・サタンとの戦い」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第60話・サタンとの戦い」by RAPT×TOPAZ

「プレトも操縦マニュアル読んでみる?」シンプルな冊子を手渡された。表紙には何も書かれていない。ただの真っ白だ。中には飛行物体の図面などが描かれていて、ほとんど文字がない。充分に訓練を受けたパイロットが、念のため持つようなものなのかもしれない...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第59話・思わぬ拾い物」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第59話・思わぬ拾い物」by RAPT×TOPAZ

ルリスが潰した紙コップを眺めていると、外で作業をしていた店主が戻ってきた。背中を丸め、悲しそうな表情をしている。こちらに来て少し間を置くと、とても話しづらそうな顔をして言った。「お客さん、申し訳ございません。修理できると思ったのですが、その...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第58話・所長の刺客」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第58話・所長の刺客」by RAPT×TOPAZ

プレトは"それ"と目が合い、ぎょっとした。ものすごい迫力だ。こんなの見たことがない。レインキャニオンでの獰猛な植物や肉塊も初めて見るものだったが、『レインキャニオンだから』という理由で納得ができた。しかし、どこかに街がある砂漠に、こんな恐ろ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第57話・砂漠の怪物」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第57話・砂漠の怪物」by RAPT×TOPAZ

「ワクチンを接種しても、虹で治ったりしないかな?」プレトが呟いた。ディストピアな想像ばかりしていられない。「虹は、生き物以外の毒にも効果があるのかな?」と、ルリス。「まだ分からないけど、あったらすごいよね。今は研究所に虹の在庫はないみたいだ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第56話・パンデミック宣言」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第56話・パンデミック宣言」by RAPT×TOPAZ

「そういうことだから、帰ってきて大丈夫だからね。そういえば、あれは試したの?」チユリさんに質問された。「あれというのは……虹を食べてみるっていうあれですか? 試しましたよ」「ほんとに! どうだったかしら」「蛇口をひねったように鼻水が出てきま...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第55話・帰路」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第55話・帰路」by RAPT×TOPAZ

ルリスが新しいタオルを渡してくれた。それで頭をふき、給水タンクを持ってレグルスに戻った。「雲でレグルスを包まないと、泥沼を抜けられないね。まあ、雲自体には困らなさそうだけど」プレトがそう言って空を見ると、ふわん、ふわんと、雲が次々と落ちてき...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第54話・治った体」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第54話・治った体」by RAPT×TOPAZ

プレトは必死で肉塊を振りはらおうとしたが、右脚にぶらさがっているそれは、全く離れそうになかった。いくら脚を振ってみてもびくともしない。歯が食い込んでいるのだろうか。「プレト!」頭上から心配そうな声が聞こえてくる。上に顔を向けると、ルリスはす...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第53話・レインキャニオンからの脱出」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第53話・レインキャニオンからの脱出」by RAPT×TOPAZ

いよいよ虹に刃を入れたプレトを、ルリスが携帯電話で撮影していた。こちらに近付いてきた肉塊をシャモジが相手しているため、現時点で危険はなさそうだ。「今ここで虹を食べてみる? 早く治したいよね?」と、ルリス。「いや、今は体調は安定しているし、食...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第52話・虹の採取」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第52話・虹の採取」by RAPT×TOPAZ

バックパックに荷物を詰めなおし、虹の採取用の装備に切り替えた。縄梯子を近場の岩にくくりつけ、レインキャニオンの谷間に垂らした。長さは充分に足りている。「シャモジは軽いけど大きすぎるから、さすがに抱えては降りられないな……」「ちょっとかわいそ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第51話・レインキャニオン攻略準備」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第51話・レインキャニオン攻略準備」by RAPT×TOPAZ

プレトが目を覚ますと、太陽が顔を出す寸前だった。ルリスが寝息をたてている……と、思ったとたんに瞼を持ち上げた。ムクリと起き上がると、何度か瞬きして言った。「なんだかすごく元気な気がする。疲れが全く残っていない。おはよう!」「おはよう、元気な...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第50話・輝く人」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第50話・輝く人」by RAPT×TOPAZ

レインキャニオンの端っこに立ちすくみ、これからどうしたものかと二人で考えあぐねていたが、何も思いつかないうちに日が暮れてしまった。安全を考慮し、今夜はレグルスで車中泊をすることにした。ルリスが寝袋にくるまり、ひとりごちた。「虹まで行って、虹...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第49話・レインキャニオンの端っこ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第49話・レインキャニオンの端っこ」by RAPT×TOPAZ

ルリスが引き伸ばした自作の雷雲で、レグルスを包んで言った。「レグルス餃子できたよ!」「すごー!!」少年はそう言うと、ぽかんと口を開いた。ルリスの愛車は薄い雲に包まれ、ファンタジーな装いになった。これで再び、アメーバのようなものが飛んできても...