連載小説 – プレトとルリスの冒険

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【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第53話・レインキャニオンからの脱出」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第53話・レインキャニオンからの脱出」by RAPT×TOPAZ

いよいよ虹に刃を入れたプレトを、ルリスが携帯電話で撮影していた。こちらに近付いてきた肉塊をシャモジが相手しているため、現時点で危険はなさそうだ。「今ここで虹を食べてみる? 早く治したいよね?」と、ルリス。「いや、今は体調は安定しているし、食...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第52話・虹の採取」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第52話・虹の採取」by RAPT×TOPAZ

バックパックに荷物を詰めなおし、虹の採取用の装備に切り替えた。縄梯子を近場の岩にくくりつけ、レインキャニオンの谷間に垂らした。長さは充分に足りている。「シャモジは軽いけど大きすぎるから、さすがに抱えては降りられないな……」「ちょっとかわいそ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第51話・レインキャニオン攻略準備」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第51話・レインキャニオン攻略準備」by RAPT×TOPAZ

プレトが目を覚ますと、太陽が顔を出す寸前だった。ルリスが寝息をたてている……と、思ったとたんに瞼を持ち上げた。ムクリと起き上がると、何度か瞬きして言った。「なんだかすごく元気な気がする。疲れが全く残っていない。おはよう!」「おはよう、元気な...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第50話・輝く人」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第50話・輝く人」by RAPT×TOPAZ

レインキャニオンの端っこに立ちすくみ、これからどうしたものかと二人で考えあぐねていたが、何も思いつかないうちに日が暮れてしまった。安全を考慮し、今夜はレグルスで車中泊をすることにした。ルリスが寝袋にくるまり、ひとりごちた。「虹まで行って、虹...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第49話・レインキャニオンの端っこ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第49話・レインキャニオンの端っこ」by RAPT×TOPAZ

ルリスが引き伸ばした自作の雷雲で、レグルスを包んで言った。「レグルス餃子できたよ!」「すごー!!」少年はそう言うと、ぽかんと口を開いた。ルリスの愛車は薄い雲に包まれ、ファンタジーな装いになった。これで再び、アメーバのようなものが飛んできても...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第48話・アメーバ対策」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第48話・アメーバ対策」by RAPT×TOPAZ

プレトが、仮眠中に少女から得たヒントについて説明すると、ルリスは腕を組んで考え込んだ。「うーん……雷と固定した雲が、このアメーバみたいなやつの対策になると……」「難しいヒントだよね……とりあえず、ルリスは仮眠とりなよ。私はその間に考えてみる...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第47話・小さな助っ人たち」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第47話・小さな助っ人たち」by RAPT×TOPAZ

公園の中では、大勢の子供たちが遊んでいた。「朝早くから元気だな……私はもうクタクタだよ……」子供たちを尻目に、プレトは頭痛薬を飲んだ。「これさ、なんとか対策を考えないとまずいよね。これからも追いかけてくるだろうし、その度にベタベタくっつかれ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第46話・アメーバ状の新兵器」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第46話・アメーバ状の新兵器」by RAPT×TOPAZ

二人は街から出て、近くに住宅がないところまでやってきた。不審者にレグルスを細工されている可能性を考慮し、センサーが反応するかどうか、木で試すことにしたのだ。「あの木で試してみようかな。誰もいないし、ぶつからないように気をつけるし、迷惑にはな...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第45話・襲い来る敵たち」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第45話・襲い来る敵たち」by RAPT×TOPAZ

代わり映えのない景色が、レグルスの外を流れている。プレトはルリスの携帯電話で、クライノートをチェックしていた。「交流してくれそうな人がぼちぼちいるみたいだよ。それに、円錐型の機械の名前が判明して、みんなが使い始めているよ」「とうとう分かった...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第44話・防犯・安全基本法の改正案」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第44話・防犯・安全基本法の改正案」by RAPT×TOPAZ

レグルスの中に射し込んだ夕陽が、座席にぐったりともたれた二人を照らしていた。「人口管理をしたい本当の理由……分からん……」プレトが呟いた。「そう簡単には見つからないよね……わざわざカモフラージュ用の理由を用意しているくらいだもんね……」ルリ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第43話・人類の数の管理」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第43話・人類の数の管理」by RAPT×TOPAZ

ルリスはヘヘヘと笑いながら話した。「……不思議な旅だなあ。ここ数日で人生がガラッと変わったよ」一度大きく伸びをし、それから話を続けた。「思ったんだけどさ、〈ゴライアス〉って、わたし達の投稿を引用しているよね? それって、むしろわたしたちの言...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第42話・誹謗中傷」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第42話・誹謗中傷」by RAPT×TOPAZ

ルリスがハンドルを握ったまま呟いている。「製薬会社と警察庁が深い関係……つまり、資源省と警察庁が深い関係……プレトの職場は資源省の管轄……なんだかさ、相手が大きすぎない?」「むーん……私、そんなに悪いことしたっけ?」「していないね、何一つ」...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第41話・この国の組織形態」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第41話・この国の組織形態」by RAPT×TOPAZ

ルリスが目を覚まし、唸りながら起き上がった。「とんでもない体勢で寝ちゃった……プレト、少しは元気出た?」「おかげさまで」プレトは、幻の中で少女からもらったヒントを、ルリスに一通り話した。ただし、あくまでも『夢』としてだ。不必要に怖がらせたく...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第40話・幻の少女がくれたヒント」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第40話・幻の少女がくれたヒント」by RAPT×TOPAZ

プレトは気がつくと、林のような場所に立っていた。あれ? レグルスの中で、ルリスと昼寝をしていたのに……これは夢かな?そのとき、突風が吹き、プレトの髪の毛を踊らせた。同時に大量のムイムイに包まれてしまった。「痛たたたた!」すごい早さのムイムイ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第39話・有害なワクチン」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第39話・有害なワクチン」by RAPT×TOPAZ

「パラライトアルミニウムは食べたらダメなの? 虹は齧っても大丈夫なのに?」ルリスが眉をひそめながら訊いてきた。「虹は一口くらいならいいのかもしれないけれど……パラライトアルミニウムは、ラピス溶液と化学反応させてできたものだから……シロップと...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第38話・ムイムイハリケーン」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第38話・ムイムイハリケーン」by RAPT×TOPAZ

強風に圧され、骨組みが軋んだかと思うと、テントごと横転しそうになった。少し浮遊感も感じた。「わあ! 浮きそう! テントごと飛んでっちゃうよ!」「早く畳まないとまずい!」そう言いながら、プレトはテントから這い出した。「痛てててて! 痛い! ム...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第37話・大勢の味方」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第37話・大勢の味方」by RAPT×TOPAZ

肩をつつかれ、瞼を持ち上げた。窓からは光が射し込んでいる。もう朝らしい。プレトの顔を覗き込んだルリスが、困ったような顔をしながら口を開いた。「クライノートでバズった投稿、規約違反扱いされて、消されたみたい……」……聞かなかったことにしよう。...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第36話・見えてきた希望の光」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第36話・見えてきた希望の光」by RAPT×TOPAZ

「さっきから気になってたんだけどさ……プレトのスマホ、ずっと震えてない?」ルリスが不思議そうに尋ねてきた。プレトは答える。「そうなんだよ、腿がマッサージされている」さっきから携帯電話がずっと鳴りっぱなしだ。マナーモードにしていたから、ジャー...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第35話・見てはいけないもの」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第35話・見てはいけないもの」by RAPT×TOPAZ

助手席に座ったプレトが、クライノートを簡単にチェックすると、ピリピリしている投稿で溢れかえっていた。政治家の悪口でいっぱいだった。パラライトアルミニウムの高騰で、生活必需品が倍の値段になるのだから、当然といえば当然だろう。SNSのアカウント...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第34話・奇跡の脱出」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第34話・奇跡の脱出」by RAPT×TOPAZ

やれることはもうない……いや、ある。最後に一つだけ。プレトはアーミーナイフを握りしめ、よろよろと立ち上がった。熱で足元がおぼつかない。浮いているような感覚だ。このまま膜にナイフを突き立て、外まで飛び出せばいいのだ。電圧がどのくらいかは全く分...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第33話・絶体絶命」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第33話・絶体絶命」by RAPT×TOPAZ

プレトとルリスは、狭い膜の中で装備を確認した。そして、確認したことをすぐに後悔した。ろくな物が入っていなかったのだ。わずかな水と携帯食料。そして、懐中電灯とアーミーナイフ、通信できない通信機と携帯電話。その他もろもろ。一番期待できそうなアー...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第32話・密林の罠」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第32話・密林の罠」by RAPT×TOPAZ

プレトは携帯電話に届いたメッセージを読み、息が詰まるような思いがした。思わずテントの壁に、額をグリグリとこすりつけた。「どうしたの」と、ルリスが尋ねてくる。そのままの体勢でプレトは答えた。「部長補佐から、密林とサマーブロッサムについてのメッ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第31話・再び虹に向かって」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第31話・再び虹に向かって」by RAPT×TOPAZ

頭を少し動かすと、ルリスがいた。両手を組んだまま寝ている。まさか、ほとんど徹夜で祈ってくれていたのだろうか? ここまでしてくれるなんて……胸が心地よく苦しい。この感情はなんと呼べばいいのだろう。プレトはテントの開口部から顔を出してみた。空は...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第30話・泉の源へ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第30話・泉の源へ」by RAPT×TOPAZ

目を開けると、アジサイ色に染まった空が見えた。磨りガラスのような月が浮かんでいる。なんて幻想的なのだろう。そうか、とうとう死んでしまったか……短い人生だったな……最後の数日間が濃密すぎたな……でも、ここはどこだ?落ち着いて辺りを見回すと、野...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第29話・マッチポンプ」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第29話・マッチポンプ」by RAPT×TOPAZ

プレトは吐き気に襲われた。テントのファスナーを開けて、頭だけ外に出す。すると、口から液体が出てきた。昨夜から何も食べていないので、胃液に違いない。口の中が苦くて酸っぱい。最悪だ。ルリスがそれに気づいて悲鳴のような声を上げると、こちらに駆けつ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第28話・キリンパンの正体」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第28話・キリンパンの正体」by RAPT×TOPAZ

タンザロアニシン……そうだ、思い出した。子供の頃に読んだ、マンガのキャラクターに名前が似ているのだ。そんなことを……思い出したところでね……草が柔らかく踏まれる音がした。スニーカーを履いた友が近づいてくる。ルリスがテントの開口部のそばにしゃ...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第27話・新たな依頼」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第27話・新たな依頼」by RAPT×TOPAZ

プレトは、フーイのカラーレンズに度が入っているのか気になった。訊いてみようと口を開きかけたとき、携帯電話に着信が入った。画面には『部長補佐』と表示されている。個人の携帯電話の番号も登録し合ったので、連絡が取りやすくなった。「ちょっと電話して...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第26話・二人目の案内人」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第26話・二人目の案内人」by RAPT×TOPAZ

プレトは、思わず両手で二の腕をさすった。ルリスが心配そうな顔をする。「あれ、寒い? プレト、熱があるもんね。冷房消そうか?」「大丈夫。気のせいレベルの微熱だし……でも、どうしてキリンパンが私のこと、名前以外にも何か知っているって思ったの?」...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第25話・深まる疑惑」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第25話・深まる疑惑」by RAPT×TOPAZ

駐車場に着くと、キリンパンが自分のレグルスに乗って、誰かと電話している最中だった。プレトたちが近付くと、話が終わったのか、すぐに携帯電話から耳を離した。ブラウンのレグルスの窓が開き、話しかけられる。「余命、何時間だって?」「600000時間...
【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第24話・謎の穴」by RAPT×TOPAZ

【連載小説】プレトとルリスの冒険 – 「第24話・謎の穴」by RAPT×TOPAZ

プレトはキリンパンを睨みつけたまま言った。「まさか二日酔い? 叫んだり、ヘラヘラしたり……脳みそ故障してるの?」男に悪態をつきながら、さっき通信機の前で、ルリスの名前を呼んだことを反省していた。ルリスの名前を彼に知られてはいけない。あくまで...