前回の記事では、モーツァルトの『魔笛』とジュール・ヴェルヌの『黒いインド』との関連性を説明しましたが、その中で『4つの試練(火)、(水)、(空気)、(地)』について触れました。
○【じげもんの常識をブッ壊せ!!】Vol.42 – 悪魔崇拝思想を小説にしたジュール・ヴェルヌ フリーメーソンに傾倒し、現代の科学技術を予言
この『火・水・空気・地』を万物の根源として最初に説いたのは古代ギリシアの哲学者たちでした。
その後、エンペドクレスやプラトンらによって『四元素』という概念が唱えられました。
この四元素説をさらに発展させたのが、16世紀の化学者であるパラケルススです。
彼は医師でも錬金術師でもあり、神秘思想家でもありました。
一説には悪魔使いとも言われています。
このパラケルススの考えを援用していたのが、17世紀の初頭、ドイツに存在した『薔薇十字団(ドイツ語で Rozenkreuzer、英語で Rose and Cross)』です。
この『薔薇十字団』はやがて伝説化し、フリーメーソンの高位団体となり、現在でも存続しているそうです。
前回のコラム記事でも紹介した書籍『ジュール・ヴェルヌの暗号』によると、ジュール・ヴェルヌは薔薇十字団とも関わりがあったそうです。
今回はそのことについて触れていきたいと思います。
さて、自称『薔薇十字団員』として、『カリオストロ』や『サンジェルマン伯爵』がいました。
カリオストロは、稀代の詐欺師として有名です。
彼もまたフリーメーソンの一員でした。
カリオストロという名前から、多くの人が『ルパン三世』を思い出すことでしょう。
『カリオストロ伯爵夫人』の物語は、アルセーヌ・ルパンが死刑にされかけていたジョゼフィーヌ・ バルサモ(カリオストロ伯爵夫人の娘)を救出し、彼女と一緒に財宝さがしの冒険をするといった内容です。
その中で『七枝燭台』を見付け出すのですが、燭台の枝が隠された修道院の地下聖堂の扉に薔薇十字団の署名があったりします。
モーリス・ルブランはこういった題材の内容を、妹ジョルジェットから得ていたようです。
ジョルジェットは女優であり、薔薇十字団のメンバーとも親しかったようです。
一方、サンジェルマン伯爵には数々の伝説が残されています。
数ヶ国語に堪能、ヴァイオリンの名手、 化学と錬金術に精通、東洋世界について博識…
中でも一番は、不老不死の伝説です。
記録によれば、その風貌はつねに若々しく、67歳の時点で40代以前にしか見えなかったそうです。
サンジェルマンが書いた不老不死に関する書物を、前述のカリオストロが所持していたという逸話もあります。
また、サンジェルマン伯爵は、神智学及びニューエイジ思想において大師(マハートマー)とみなされています。
マハートマーや神智学、そしてニューエイジについては、ラプトブログでも取り上げられていました。
○RAPT×読者対談〈第110弾〉インドとガンジーと神智学協会。インド独立運動もやはり源平合戦だった。
さて、ジュール・ヴェルヌは、1860年ごろパリで、薔薇十字団員で作家の『ブルワー・リットン』(『ペンは剣よりも強し』という言葉で有名です)と会っています。
ブルワー・リットンの作品の中でヴェルヌに関係するのは『来たるべき民族』です。
この作品が描いているのは、地球内部に住む民族『アナ』人(日本語の「穴」を連想させる名前です)が、いつの日か地表に戻ってきて世界を支配するだろうというものです。
アナ人は、自称ケルト民族の末裔で、知性の面でも技術の面でも我々より遥かに優れた民族であり、ヴリル(緑の光線)という自然力の開発に成功し、それをエネルギー源として使用しています。
このヴリルは、兵器として使用すれば原子爆弾より強力で、ロンドンの二倍の大きさの都市を一瞬のうちに破壊できるそうです。
さて、ジュール・ヴェルヌも、そのまま『緑の光線』という題名の本を出しています。
一部を引用すると、『あなたは海に沈む太陽を観察したことがあるだろうか。たぶんあるだろう。太陽の円の上部が水平線に触れて、まさに姿を消そうとする瞬間まで見続けたことはあるだろうか。まず間違いなくあるだろう。それでは、空に靄がなく、くっきりと晴れているとき、この光り輝く天体が最後の光線を放つまさにその瞬間起こる現象に気づいたことはあるだろうか……そのときあなたの目の網膜に飛び込んでくるのは、予想されるような赤い光線ではなく、緑の光線なのである。』
○緑の光線(Green flash、 Rayon vert)って・・・・
緑の光線については、ルシファーとの関連も指摘されています。
伝説ですが、十字架上のイエスが流す血を、アリマタヤのヨセフが聖杯で受けたと言われているそうです。
アリマタヤのヨセフについては、聖書にも記載がありました。
『夕方になってから、アリマタヤ出身の金持ちでヨセフという人がきた。この人もイエスの弟子であった。
この人がピラトのところに行って、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出た。そこでピラトは、渡すようにと命じた。ヨセフはイエスの遺体を受け取ると、きれいな亜麻布に包み、岩に掘った自分の新しい墓の中に納め、墓の入口には大きな石を転がしておいて立ち去った。マグダラのマリアともう一人のマリアとはそこに残り、墓の方を向いて座っていた。』
(マタイによる福音書 第27章 第57節〜第61節)
また、別の伝説では、 聖杯は緑色と関係しており、特にルシファーの額から落ちたエメラルドと結びついていて、その延長で緑の光線ともつながるそうです。
○ルシファーと共に地獄に落ちた魔性の宝石“エメラルド”(緑石)
さて、この『来たるべき民族』に夢中になったのがカール・ハウスホーファー。
教え子にナチスドイツ親衛隊名誉隊長にもなったルドルフ・ヘスがいて、その関係でヒトラーとも面識がありました。
ヒトラーも、『来たるべき民族』を熱心に読みふけっていたそうです。
○ナチスとチベットと緑龍会との関係について。そこには地底都市シャンバラの存在がありました。
また、この『来たるべき民族』からインスピレーションを得たのがエドガー・アラン・ポーでした。
彼は、『アーサー・ゴードン・ピムの物語』という作品に地底世界を登場させています。
ピムは最後に、南極で『翼のある、巨大な、雪のように白い、人間の姿をしたもの』に溶け込んで終わります。
ジュール・ヴェルヌはこの『アーサー・ゴードン・ピムの物語』からインスピレーションを得て、前回の記事で紹介した『氷のスフィンクス』を書き上げています。
こういった物語の着想の原点は、いろいろな秘密結社の資料の一部だそうで、ポーもヴェルヌも内部文書を閲覧することができる立場にあったことを意味します。
ジュール・ヴェルヌについて調べてみると、彼は高位のフリーメーソンリーに留まらず、イルミナティの一員であった可能性があります。
そのことについては、次回以降に記事にしたいと思います。
この記事を書いたのは1月15日ですが、この日はものすごく恵み深い御言葉が宣布されました。
RAPTさんが天で大きな栄光を受け、その名がどこまでも高められる日がいよいよ来るのです。
逆に、悪人どもは裁かれ、どこまでも貶められることでしょう。
これからの時代、神様がこの地を統治なさいますので、神様の御言葉にどこまでも従順に従い、心と思いと精神を尽くして神様を愛して生きることにより、私たちには霊肉ともに豊かに祝福が与えられます。
そのような生き方に興味がある方は、まずは以下の記事をお読みください。
○悪魔を拝んで人生を破壊する生き方から、神様を拝んで人生を幸福にする生き方へ。
○RAPT×読者対談〈第八弾〉神は存在するのか。人生の試練とは何か。
以下の記事は、私が5年ほど前に書きました。
まさかRAPTブログに掲載していただけるとは思っていなかったのですが、よろしければお読みください。
○RAPTブログ読者の証言〈VOL.37〉11月11日の祝祭の日に受けた主からの恵みについての証言9。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆様に神様のお守りと救いがありますように。
参考文献:ジュール・ヴェルヌの暗号―レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社(ミシェル・ラミ 著、高尾謙史 訳)
コメントを書く