ハリウッドの主要タレント事務所、動画生成AI『Sora2』が知的財産権を侵害したと批判する声明を発表「これは革新ではなく搾取だ」

ハリウッドの主要タレント事務所、動画生成AI『Sora2』が知的財産権を侵害したと批判する声明を発表「これは革新ではなく搾取だ」

クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシーなどハリウッドの主要タレント事務所や映画業界が、動画生成AI「Sora 2」について「世界的な著作権の原則を無視している」などと批判する声明を発表しました。

「Sora 2」は、オープンAIが開発した動画生成AIの最新モデルで、映画のようにリアルな映像を作り出せるほか、人気アニメや漫画のキャラクターを忠実に再現できることから、著作権を侵害しているとして大きな議論を呼んでいます。

クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)は、トム・ハンクスやスカーレット・ヨハンソンなどが所属する大手芸能事務所で、オープンAIに対し「世界的な著作権の原則を無視し、クリエーターの権利や人間の創作に資金を提供する人々を露骨に軽視している。創作物を盗んでも構わないと考えているのだろうか」「クリエーターとその権利を守らないことは決して容認できない」と厳しく批判する声明を発表しました。

また、同じく大手のユナイテッド・タレント・エージェンシー(UTA)も声明を発表し、「人間の才能に代わるものはなく、同意や報酬なしの利用は搾取であって、イノベーションではない」と非難しました。

一方、CAAのライバル事務所であるウィリアム・モリス・エンデバー(WME)は、所属する俳優やクリエーターの姿・声などがSora 2で使われないよう、全員を「オプトアウト(適用除外)」とするようオープンAIに求めたとのことです。

さらに、ディズニーやNetflixなどを代表する業界団体、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)も、「Sora 2の著作権侵害を防ぐ責任はオープンAI側にある」として、早急な対応を求めています。

これに対し、オープンAIのサム・アルトマンCEOは、今月3日に投稿した「Sora Update #1」で、「権利保有者がどのように進めるかを自ら決められるようにしたい」と述べ、今後のアップデートでキャラクターや映像の使用に関する制御を強化する考えを示しました。

AIの生成技術は急速に進化しており、9月に開催された国際映画祭では、世界初のAI女優「ティリー・ノーウッド(Tilly Norwood)」が登場しました。

ティリー・ノーウッドは、本物の人間と見間違えるほどのリアルさで、すでに幾つかの芸能事務所がティリーと契約することに関心を示しているとのことです。

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AIの女優や俳優は、待遇や役柄、監督の指導に不満を口にすることもなく、高額なギャラを求めることもないため、今後は制作現場で重宝される可能性が高く、生身の俳優たちは自分たちの仕事が奪われるのではないかと戦々恐々としているとのことです。

全ての先端技術が人類の幸福と発展のために、正しく用いられますことを心から祈ります。

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