中米・メキシコで2日、6年に一度の大統領選挙が行われ、与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が当選を果たしました。
就任は10月1日で、メキシコ史上初の女性大統領が誕生することになります。
選挙選での勝利を受け、シェインバウム氏は、「共和国建国200年の節目に私はメキシコ初の女性大統領になる。私ひとりだけでなく女性全員で行き着いたのだ」と演説で述べました。
メキシコでは、現在のロペスオブラドール大統領が、軍の拡大や国家警備隊の新設によって麻薬組織への対策を進めましたが、暴力・誘拐事件などの犯罪は後を絶たず、治安の回復が大きな課題になっていました。
こうした状況の中、メキシコでは大統領選挙と同じ日に、議会の選挙と8つの州の知事選挙、首都・メキシコシティーの市長選挙をはじめ1800を超える自治体の首長選挙などが一斉に行われたため、選挙を巡る争いによって多くの死者が出ています。
地元メディアによると、投開票までに候補者と立候補予定者だけで、あわせて30人以上が殺害され、親族や選挙関係者も含めると200人以上が殺害されたとのことです。
メキシコ中北部グアナファト州セラヤ市長選の候補者ベルタ・ゲイタン氏が路上で射殺された
メキシコでは今年に入って既に14人の選挙候補者が殺害されている。同州はカルテルが縄張り争い繰り広げ治安が悪化、2023年に射殺された警官の数は60人を超えるpic.twitter.com/AhQUWkFijA— ミリレポ (@sabatech_pr) April 3, 2024
また、選挙の翌日には、メキシコ中西部・ミチョアカン州の町コテハで町長を務めていた女性が何者かに襲撃され、護衛もろとも殺害されました。
メキシコでは、大統領選の度にこうした殺人事件が相次いでおり、現地の専門家は「殺人事件の数だけ、犯罪集団と取り引きをした候補者がいることを示しており、当局がこうした事態を黙認しつづければ、国の広い範囲が麻薬組織の支配下に置かれることになる」と指摘しています。
また、メキシコでは選挙に当選したにもかかわらず、公約を守らなかった場合は市民から襲撃され、木に縛り付けられたり、トラックで引き摺り回されるなどして「私刑」に処されるケースもあるとのことです。
◯公約を守らない市長に激怒、市民が木に縛り付け暴行を加える 公約実行を約束したのちに解放
日本とは全く異なるメキシコの壮絶さに、ネット上では驚きの声や「まさにバトルロワイヤル…日本ではこんな事にならないけど、立候補者にはこれくらいの緊張感は持って欲しい」といった声が続々と投稿されています。
繰り返される覇権争いに終止符が打たれ、全世界に平和と安息が訪れますことを心から祈ります。
◯トランプ前米大統領に有罪判決 不倫相手への『口止め料』を隠すため文書偽造 大統領経験者が刑事裁判で有罪となるのは初のケース
◯【静岡県知事・鈴木康友】就任会見で早くも公約撤回 県東部地域への医学部誘致構想を断念すると発表 県民は「当選からまだ3日なのに」と唖然
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