文科省は28日、6年ぶりに実施した「教員の勤務実態調査」の結果を発表し、小学校教員のうち64.5%、中学校教員のうち77.1%が、国の定める残業時間(月45時間)の上限を超過していることを明らかにしました。
教員のうち、月80時間の「過労死ライン」を超過している割合は、小学校で14.2%、中学校で36.6%に上るとのことです。
一月100時間以上残業している教員も少なくなく、土・日休みなく出勤したとしても、毎日3時間以上、超過勤務に従事していることになります。
教員の残業代は、「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」に基づき、月給の4%と定められているため、労働に見合った収入が保証されておらず、多くの教員がタダ働きを強いられている状態にあります。
◯【最高裁】公立学校教員への残業代を認めない判決 学校教育の破壊へまっしぐら
○【改正】給特法とは?元教員がわかりやすく解説【残業代は月給の4%】
仮に、月給20万円の教員が、月100時間残業した場合、残業代はわずか8000円、時給に換算すると80円しか支給されていないことになります。
こうした残業時間超過の原因の一つが「慢性的な教員不足」と言われており、以下の記事によると、昨年度は全国で2065人、今年度は2800人の教員が不足していたとされています。
○残業月90時間 学校がもう回らない… 教員不足全国2800人の現実
教員は、教科の指導はもちろんのこと、登下校時の安全指導、道徳や学活の指導、生活指導、生徒指導、食育指導、清掃指導に加えて、PTAや地域との連携など、多彩な業務を同時に遂行することが求められます。
近年は「GIGAスクール構想」による教材の準備やパソコンの習熟、マシントラブルへの対応なども加わりました。
その上、ほとんどの教員が部活動の顧問を担当しており、たとえ未経験の競技や種目であったとしても、土・日も出勤して指導に取り組まなければならず、大きな負担となっています。
○「部活が負担」教員の7割 「勤務時間を超える」「全くの専門外のため指導できず生徒が可哀想」
クラスの担任になると、児童や生徒の日々の生活の安全に対する配慮、子どもたち一人一人に対する気配り・目配り、提出物の点検、課題提出状況の確認と内容の点検、教育委員会などから送られてくる各種アンケートへの対応、家庭との密接な連絡などの業務も加わります。
現在、日本における1学級あたりの生徒数は、中学校で40人ですが、他の先進国では20人〜25人程度で、こうした点からも日本の教員が大きな負担を抱えていることは明らかです。
また、運動会や学習発表会などの行事の前は、日常業務以外に、リレーや団体種目などの指導、楽器演奏や劇の指導なども加わるため、あまりの多忙さに精神的な疾患で休職したり、体力の限界を感じて早期に退職したりする教員も年々増加しています。
しかし、欠員が生じても、それを補う臨時的任用教員がいないため、教務主任が担任を兼任したり、校長が授業を担当するなど、在籍している教員で負担を分け合うしかない厳しい状況にあります。
こうして教育現場は崩壊の一途を辿っていますが、これからの時代、子供も大人も、自分の中に眠っている個性・才能を見つけ出し、それを磨いていく生き方が求められています。
皆が不幸になるブラックな教育現場の状況が一刻も早く改善され、一人一人の個性と才能が輝く世の中が訪れることを心から祈ります。
○【第16回】ミナのラジオ – これからの時代に勝ち抜ける人、落ちぶれる人 – ゲスト・RAPTさん
○子供の個性才能が見付かるように祈って、その翌日に祈りが叶えられた不思議な体験(十二弟子・ミナさんの証)
◯【さいたま市】教員不足解消のため、教員免許なしでも特別免許状を授与、教員として採用する制度を導入 各方面から危険性を指摘する声
コメントを書く