
アメリカのゲーム会社「エピック・ゲームズ」が、グーグルを反トラスト法(独占禁止法)違反で訴えた裁判で、第9巡回区控訴裁判所は、エピック側の主張を認めた一審判決を支持し、グーグルの控訴を退けました。
Googleが対Epic Games裁判の控訴審でも敗北、「Epic Games Store」がGoogle Playに登場可能にhttps://t.co/36ZMwOTarm
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) August 1, 2025
エピック・ゲームズは、バトルロイヤル型のシューティングゲーム「フォートナイト」の開発元で、利用者は世界で数億人に上り、eスポーツの大会やイベントも盛んに行われています。
しかし、グーグルのアプリストア「GooglePlay」を通じてアプリの購入や課金が行われるたびに、エピック・ゲームズは15%から30%の手数料を支払わなければならず、この仕組みに反発して独自の決済方法を導入しました。
これに対し、グーグルは規約違反だとしてアプリを削除し、エピック・ゲームズは「手数料の仕組みは独占禁止法に違反する」として訴えていました。
2023年の一審判決では、エピック・ゲームズの訴えが認められ、グーグルに対して競合するアプリストアの配信を認めるよう命じる判断が示されました。
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さらに今回の控訴審でも、判事3人が全会一致で「グーグルのアプリストアと決済システムは違法な独占状態にある」と判断しました。
この決定により、グーグルは今後3年間、グーグルプレイでエピック・ゲームズの「エピック・ゲームズ・ストア」をはじめとするサードパーティーのアプリストアの配信を認める必要があります。
エピック・ゲームズの勝訴を受け、同社のティム・スウィーニーCEOは7月31日に「エピック対グーグルの控訴で完全勝利だ」とXに投稿しました。
Total victory in the Epic v Google appeal! https://t.co/6jE6Wudqd6
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) July 31, 2025
一方、グーグルは「この決定はユーザーの安全性やAndroidのイノベーションを損なう」とコメントし、今後さらに上級審への上告を検討するとしています。
今回の裁判でグーグルが全面的に敗訴した場合、GooglePlayでの独占的な仕組みが大幅に見直され、開発者や利用者の選択肢が広がり、一方でグーグルの収益や市場での支配力は大きく低下するとみられます。
グーグルをはじめ、ビッグテックによる独占行為に終止符が打たれ、誰もが安心して利用できるネット環境が整備されますことを心から祈ります。
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