物価上昇分は企業収益となって賃上げに反映されていないことが判明 企業の内部留保が過去最高の550兆円を突破

物価上昇分は企業収益となって賃上げに反映されていないことが判明 企業の内部留保が過去最高の550兆円を突破

昨年から今年にかけて、生活に欠かせない日用品や食品、光熱費など様々なものが値上がりしていますが、その物価上昇分の大半が企業収益となり、賃上げにはほとんど回っていないことが判明しました。

モノやサービスなどの値動きを把握する指標には「消費者物価指数」の他にも、「GDPデフレーター」と呼ばれる国内に起因する物価の値上がり分のみを算出できるものがあります。

この「GDPデフレーター」によると、2023年度の物価は前の年度と比べて4.1%上昇し、伸び率は比較可能な1981年度以降、最大となったとのことです。

しかし、あるエコノミストによると、4.1%の上昇分のうち、賃上げに反映されたのはわずか0.3%分にとどまっており、大半は企業収益で占められていると分析しています。

2024年3月期決算では、上場企業の純利益の総額が3年連続で過去最高となり、値上げが利益を押し上げた企業も多かったようです。

また、企業(銀行、保険業を除く)の内部留保は555兆円を超え、現在も過去最高を更新しつづけています。

こうした状況について、ある専門家は「企業がコスト上昇分を上回る価格転嫁をし、利益を確保したことが、インフレ押し上げ要因となった」「この現象は、英語の強欲とインフレを組み合わせた造語『グリードフレーション』が生まれるほど、欧米で問題となっている」と指摘しています。

これまで岸田総理は、デフレ脱却を強調してきましたが、実質賃金の減少と貯蓄率の低下により景気が冷え込み、物価だけが上昇を続ける「スタグフレーション」を引き起こしています。

また、生活必需品中心の物価上昇は「スクリューフレーション」と呼ばれており、日本ではこの2つの現象が重なる最悪の状況となっています。

政財界による一方的な搾取に終止符が打たれ、全ての国民が文化的で健康に生きられる国家となりますことを心から祈ります。

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