アメリカ議会下院の外交委員会は新たに、中国の動画投稿アプリ「TikTok」の利用を禁止する法案を2月に採決する方針を決定しました。
同国では昨年12月、TikTokから中国政府への情報漏えいが懸念されるとして、政府機器上でのTikTok使用を禁止する法案が可決されるなど、警戒感が高まっています。
また、全米50州のうち半数以上が、州の公用端末での利用を禁じており、この動きに追随して公立学校や大学でも、TikTokの使用を禁じる動きが広がっています。
○米上院で政府機器上での『TikTok』使用禁止法案が可決 インディアナ州はTikTokを「羊の皮を被った狼」と批判し提訴
委員会は声明で、TikTokの運営会社、中国のバイトダンスのCEOが3月23日に開かれる公聴会で初めて証言する見通しだと発表、「TikTokは、中国共産党がアメリカの利用者のデータにアクセスすることを許可している」とした上で、「アメリカの人々にはこうした実態がプライバシーやデータの保護にどのような影響を与えるのかなどを知っておく権利がある」と述べています。
TikTok側は、「中国政府による干渉はない」と主張しつづけていますが、既に米誌フォーブスと英紙フィナンシャル・タイムズの記者のデータに幾度も不正アクセスしたことが明らかになっています。
また、大手メディアも、中国政府が9000万人を超えるTikTokユーザーの情報を欲しいと思えば、ハッキングする手間をかけずに、容易に手に入れることができると指摘しています。
○【解説】強引なデータ収集、若者への悪影響…アメリカの学校で加速する「TikTok禁止」が妥当である理由
TikTokのアプリは1時間おきに、ユーザーの連絡先リストやカレンダーにアクセスしているほか、TikTokにアクセスする際に使われた端末の現在地データを集め、さらに端末に接続されたハードディスクをスキャンしている可能性も懸念されています。
そのため、TikTokのCEOが公聴会で証言をしたとしても、アメリカ側が抱く不信感を払拭するのは容易ではないと見られています。
下院は厳しい対中姿勢を取る共和党が多数を占めており、今後、中国系IT企業への規制がさらに強まる可能性もあるとのことです。
○【中国アプリ・TikTok】アメリカのユーザーデータに幾度も不正アクセスし、フォーブス記者らの位置情報を監視していたことが発覚!!
これを受け、TikTokで活躍してきた動画クリエイターらの間では「自分の生計手段の望みをすべて、誰かにかき消されてしまいかねない、と考えると、本当に恐ろしくてたまらない」と不安の声も上がっています。
○TikTok 利用禁止の可能性、クリエイターが直面する「最悪の悪夢」:万が一に備えて手を打つ業界関係者も
全世界で破壊工作を仕掛けてきた中国共産党が厳正に裁かれ、これ以上、有害アプリによる弊害が世界に波及しませんよう、心から祈ります。
○【アメリカ】ファーウェイなど中国大手5社の通信機器を販売禁止 国家安全保障に「容認しがたいリスク」をもたらす恐れがある
○【崖っぷち】河野太郎デジタル大臣、TikTok問題で次期総理への道が断たれる危機に 自民党内で“河野離れ”が加速
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