【大阪万博】海外パビリオンの建設工事費、建設会社38社が未払いを訴え 被害額は10億円超「日本政府が本当に信用できないことに気が付いた」

【大阪万博】海外パビリオンの建設工事費、建設会社38社が未払いを訴え 被害額は10億円超「日本政府が本当に信用できないことに気が付いた」

大阪万博の海外パビリオンの建設工事費が下請け会社に支払われていない問題で、建設会社38社が今も未払いを訴え、被害額は10億円を超えることが分かりました。

今月4日、工事費の未払い被害を訴える建設会社の代表らとジャーナリストが都内で記者会見を開き、改めて国や大阪府、万博協会に対応を求めました。

未払いとなっているのは11か国(アンゴラ、インド、ウズベキスタン、セルビア、タイ、中国、ドイツ、米国、ポーランド、マルタ、ルーマニア)のパビリオンの建設工事費です。

この問題を調査してきた西谷文和によると、未払い問題は2次以降の下請け会社が工事代金を持ち逃げしたケースと、倒産したケースの大きく2つに分かれ、いずれの場合も3次や4次下請けとして工事を担っていた零細・中小企業が被害を受けているとのことです。

被害を受けた企業のうち「株式会社SEIKEN」は、アメリカ館の3次下請けとして工事に参加していましたが、2次下請け企業の倒産に伴って、建設費の支払いを受けられない状況が続いています。

同社顧問の岸田宗士郎は「被害者の会を発足して国や省庁に申し入れを続けてきたが、事実上、放置されている」と訴えました。

また、「事務局J0K(ジェイゼロケイ)株式会社」は、「GLイベンツ・ジャパン株式会社」から工事代金が支払われていないとして被害を訴えています。

「GLイベンツ」はマルタ、セルビア、ルーマニア、ドイツの4館の元請けを担当しており、未払い額が最も大きいとされ、ルーマニア館の工事では総額4億円のうち2億円を支払ったものの、その後「壁の色が違う」「テーブルの形が悪い」などの理由を挙げて、残りの支払いを拒否したとのことです。

こうしたケースのほかにも、アンゴラ館の3次下請けだった「一六八(いろは)建設」の経理担当者が、工事代金など1億2000万円余りを着服した疑いで大阪府警に刑事告訴・告発される事件も発生しています。

もともとパビリオンの建設工事はいくつものブローカーが関与しており、金の流れも不透明なことから、大手ゼネコンが受注を避けていると指摘されていました。

実際に工事の受け手がいつまで経っても現れず、パビリオンの建設予定が大幅に遅延していたため、吉村府知事らの要請を受け、最終的に地元の中小企業が引き受けることになりました。

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こうした経緯から、被害に遭った企業は行政に救済や支援を求めていますが、吉村知事は「下請け業者への未払い問題は『民民の問題』だ」と述べ、税金による立て替えなどの直接的な救済は難しいとの見解を示しています。

事務局ジェイゼロケイの高関社長は、「この建築を終わらせることができなければ、海外パビリオンがオープンできない。それは私たち日本人にとって『恥』になると思って、開幕までに間に合わせた。責任は吉村知事にあると思う。彼が『絶対に成功させる』と言った。ならば、未払い問題が発生して困っている人たちに対して、分配を行うべきだ。それなりの覚悟を決めてやってほしい」と訴えました。

加えて、高市総理に対しても「(建設費を未払いにしている元請け会社との)裁判中の(下請け)会社が引き続き事業ができるように、救済措置としての融資などを早急に行ってほしい」と求めました。

また、SEIKENの岸田顧問は「日本人として、日本を信頼してきたつもりだった。しかし、今回の件で、日本政府が本当に信用できないことに気が付いた。人権侵害を見て見ぬふりする国は、やっぱり、間違っていると思う」と述べました。

無責任な政治と行政運営が、根本から是正されますことを心から祈ります。

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