【東京国立博物館】文化財の修理費用をクラウドファンディングで集める 政府は支援せず、ペルーの『プルチュコ博物館』には8000万円の支援

【東京国立博物館】文化財の修理費用をクラウドファンディングで集める 政府は支援せず、ペルーの『プルチュコ博物館』には8000万円の支援

東京国立博物館は5日、貴重な文化財である屏風の修復費用をクラウドファンディングで募り、開始から1ヶ月で目標金額の3000万円を達成したと発表しました。

修理対象となるのは、紫式部の「源氏物語」を題材にした屏風で、一隻(せき)の大きさは縦約160センチ、横約370センチ、一対を並べると全長7メートルにも及びます。

この屏風は昨年11月、都内の古民家で発見され、家屋の取り壊しに伴って廃棄される予定でしたが、東京国立博物館の研究員による調査で、貴重な文化財であることが判明したとのことです。

屏風には、ちょうつがいの破損や絵の具の剥がれ、猫による引っ掻き傷、虫食いなどが確認されていますが、未指定文化財の修復は例外的な扱いとなるため、限られた予算の中から費用を捻出するのは難しく、クラウドファンディングを通じて支援を呼びかけることになったとみられます。

これを受け、東京国立博物館には11月8日時点で2298人の支援者から約4780万円の寄付が寄せられており、同館の担当者は「ご支援いただいたみなさまに、心より感謝申し上げます。文化財に対する私たちの思いに共感いただき、大変心強く感じています」「限りある予算の中では、受け入れることのできる文化財を選択せざるをえません。それでも、価値ある文化財をできる限り救い出したい。そんな我々の想いを支えていただき、胸が熱くなる思いです。心より、深く御礼申し上げます」と感謝の言葉を述べています。

東京国立博物館をはじめとする国立博物館は、独立行政法人国立文化財機構によって運営されており、運営費の一部を国からの交付金で賄っていますが、近年は光熱費の高騰などの影響で財政がひっ迫しているとのことです。

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こうした中、日本政府はペルーのプルチュコ博物館に対し、8000万円の無償資金協力を行うことを表明しました。

プルチュコ博物館は、1960年に設立された中南米で最も古い総合博物館の一つで、織物や陶磁器、金・銀・銅の工芸品など、現地の遺跡をはじめ各地から収集した文化財を展示し、保存や研究にも力を入れています。

しかし、機材の劣化や不足により、適切な環境での展示や必要な保存・修復作業が十分に行えない状況が続いていることから、日本政府はデジタル技術を含む機材を供与し、プルチュコ遺跡や発掘物・収蔵品の先進的な研究、適切な保全・管理、展示の充実、そして社会包摂的な歴史・文化教育の向上を図ることで、地域社会の発展に貢献したいとしています。

◯ペルー共和国に対する一般文化無償資金協力「プルチュコ博物館における調査・教育機材整備計画」に関する書簡の署名・交換

日本政府はこれまでもエジプトの博物館の建設を支援するなど、海外の遺跡や文化財の保護に力を注いできましたが、国内の博物館の財政がひっ迫している現状を改善しようとする姿勢は一向に見られません。

空虚なバラマキ外交に終止符が打たれ、国民の益となる真っ当な政治が行われますことを心から祈ります。

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