証券口座乗っ取りで、大学講師男性がSBI証券を提訴「30年以上かけて積み上げてきた資産が一気に消失し、老後も含めた生活基盤を奪われた。被害回復をしてほしい」

証券口座乗っ取りで、大学講師男性がSBI証券を提訴「30年以上かけて積み上げてきた資産が一気に消失し、老後も含めた生活基盤を奪われた。被害回復をしてほしい」

SBI証券の口座が不正に乗っ取られ、数千万円相当の金融資産を失ったとして、大学講師の男性(60)がSBI証券を相手取り、有価証券の返還を求めて東京地裁に訴えを起こしました。

訴状などによると、横浜市に住む里吉竜一さんは、今年4月22日にSBI証券の口座へ不正アクセスを受け、数千万円分の有価証券を無断で売却された上、身に覚えのない株の売買を繰り返されたとのことです。

保有していた不動産投資信託(REIT)はすべて現金に換金されており、被害に気付いたときには、数千万円あった資産がわずか数十万円にまで減っていたとのことです。

4日には都内で記者会見を開き、全面的な補償を求めてSBI証券に文書を送ったものの、期限までに回答はなかったと説明しました。

また里吉さんは、「30年以上かけて積み上げてきた資産が一気に消失し、老後も含めた生活基盤を奪われた。フィッシング詐欺の被害にもあっていないし、IDとパスワードの管理もしっかりと行っていたので、被害回復をしてほしい。SBI証券には口座開設時に結んだ預託契約に基づき、不正な取引で失った分を元通りに回復する義務がある」と訴えています。

SBI証券は「訴状を受け取っていないのでコメントは差し控えさせていただきます」とした上で、被害を補償する対象者には今月中に書面で連絡するとしています。

金融庁によると、今年1月から5月にかけて、証券口座の乗っ取りが16社で確認されており、不正な売買による取引額は5000億円を超えているとのことです。

証券口座の乗っ取りは、フィッシングメールなどで個人情報を盗み取られ、それをもとに不正アクセスされるケースが多いとされており、ネット上では「SBI証券を名乗るフィッシングメールが毎日のように届いている」といった声も相次いでいます。

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証券口座を通じた不正取引では、中国株が大量に買われているほか、フィッシングメールや偽サイトの作成に中国語のツールが使われていることも明らかになっています。

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犯行の全容が一刻も早く明らかになり、防犯対策が徹底されますことを心から祈ります。

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