日本の対外純資産、34年ぶりに世界1位から2位に転落 1位ドイツ569兆円、2位日本533兆500億円

日本の対外純資産、34年ぶりに世界1位から2位に転落 1位ドイツ569兆円、2位日本533兆500億円

日本の「対外純資産」は昨年末時点で533兆円余りとなり、6年連続で過去最高を更新しましたが、ドイツに抜かれ、2位に転落したことが分かりました。

「対外純資産」とは、日本の政府や企業、個人が保有する「対外資産」から、海外の政府や企業などが日本で保有する「対外負債」を差し引いたもので、日本はこれまで33年連続で世界1位の座を維持してきました。

対外純資産の金額は、2023年末時点で前年比12.9%増の533兆500億円に達し、初めて500兆円を超えましたが、主要国の中ではドイツが569兆円を超えて1位となり、日本は2位に留まりました。

◯画像:日本の対外純資産、ドイツに抜かれ34年ぶり首位転落-過去最高は更新 より

日本は2010年まで貿易黒字が続き、近年は海外への投資で得た配当や利子などによって資産残高を増やしていますが、エネルギーを輸入に頼る構造上、価格高騰の影響を受けやすく、貿易収支は赤字に陥ることが多いとされています。

その一方で、ドイツは自動車や工業機械、化学製品などの輸出産業が経済を牽引し、貿易黒字が続いたことが対外純資産の増加につながりました。

財務省の発表によると、昨年末時点での日本の「対外資産」は1659兆221億円となり、16年連続で増加したとのことです。

これは、日本企業によるアメリカやオランダなどへの直接投資の拡大に加え、円安の進行によって海外で保有する資産を円換算した際の金額が膨らんだことが要因と見られており、対外負債も1125兆9721億円に達し、6年連続で増加しました。

◯日本の対外純資産、過去最大更新もドイツに抜かれ首位陥落…前年比12・9%増の533兆円

◯日本の対外純資産 6年連続過去最高も ドイツに抜かれ世界2位に

今回、日本は対外純資産のランキングで首位を逃したものの、世界的には依然として上位を維持しています。

しかし、一部の民間企業が海外で得た利益を、そのまま現地での投資や企業運営に充てるケースが多く、国内には十分に還元されておらず、多くの国民がその恩恵を実感できない状況となっています。

誰もが安心して、豊かに暮らせる社会となりますことを心から祈ります。

◯日本の対外純資産471兆円 33年連続で世界一、5年連続で過去最高を更新 ほとんどの国民がその恩恵を受けられず

◯物価上昇分は企業収益となって賃上げに反映されていないことが判明 企業の内部留保が過去最高の550兆円を突破

◯実質賃金が23か月連続でマイナス、“リーマンショック以来”過去最長を記録「2年間に渡って実質賃金を下げ続けるのは偶然ではできない所業です。極めて計画的かつ恣意的な経済政策の結果でしょう」

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