【中国】太陽光発電大手6社すべて赤字 過剰生産や値下げ競争の激化で大規模な損失

【中国】太陽光発電大手6社すべて赤字 過剰生産や値下げ競争の激化で大規模な損失

中国の太陽光発電大手6社が、過剰生産や値下げ競争により、軒並み大規模な損失を計上したことが明らかになりました。

中国の太陽光発電大手「トンウェイ(通威股份)」「ロンジ(隆基緑能科技)」「ジンコソーラー」「トリナソーラー」「JAソーラー」「TCL中環」の6社は昨年、莫大な損失を計上し、合計損失額は310億~341億元(約6468億〜7115億円)に達しました。

中でも、中国最大のシリコンウエハーメーカーとして知られる「TCL中環」は、89億元(約1857億円)の損失を計上し、ロンジ(隆基緑能科技)は、82億~88億元(約1711億~1836億円)の赤字を発表しています。

国際原子力機関(IAEA)のデータによると、中国は2011年~2022年の間に「太陽光発電の設備増設」に500億ドル(約7兆5930億円)を投じ、2023年時点で太陽光発電産業の世界シェアは80%を超えています。

しかし、昨年から過剰生産と値下げ競争が激化し、赤字販売を強いられる状況となり、市場の需給バランスが大きく崩れはじめました。

太陽光パネルは大まかに「ポリシリコン(原材料)製造」「シリコンウエハ製造」「太陽電池セル製造」「モジュール製造」の4工程を経て作られますが、これらの市場すべてで過剰供給が発生し、太陽光発電関連産業全体が深刻な赤字に陥っています。

特に、シリコンの価格は壊滅的な打撃を受け、2022年の1kg当たり307元(約6390円)から約87%暴落し、製造コストを下回る水準にまで落ち込んでいます。

◯画像:【連載】新エネの大本命に飛躍、足元ネックは原料高 ~太陽光発電セクターの現状と見通し~より

さらに、6大企業が大規模な損失を被った要因として、海外市場が中国メーカーの赤字輸出に対する反発を強めたことも挙げられています。

中国は過剰に生産した太陽光パネルを国外へ次々と輸出していますが、アメリカ政府はこの動きを問題視し、2012年に中国製太陽光パネルに対する反ダンピング・反補助金措置を発動しました。

◯AD(アンチダンピング)措置とは 経済産業省

中国の太陽光パネルメーカーは、この措置を回避するため、東南アジア経由でアメリカに輸出する手法を取っていましたが、アメリカ政府は2023年12月、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムで生産された太陽光パネルにも反ダンピング・反補助金措置を発動しました。

その結果、中国メーカーの工場は相次いで操業停止や閉鎖に追い込まれ、さらに厳しい経営状況に陥っています。

真に有益な産業が発展し、人々の生活がより良く改善されていきますことを心から祈ります。

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