健康被害を及ぼす恐れのある『鉛製給水管』、全国に203万件残っていることが判明 水道管の交換費用は1kmあたり約2億円

健康被害を及ぼす恐れのある『鉛製給水管』、全国に203万件残っていることが判明 水道管の交換費用は1kmあたり約2億円

日本水道協会(東京)の調査で、健康被害の原因となる「鉛製給水管」が、2023年3月時点で約203万件も残っていることが判明しました。

鉛管は錆びにくく加工しやすいことから、国内では1980年代まで広く使用されていましたが、腹痛や神経麻痺などの鉛中毒を引き起こすリスクがあります。

そのため、国は2004年に策定した「水道ビジョン」で「早期ゼロ」を掲げましたが、2023年3月時点でも全契約数(約5933万件)の3.43%にあたる約203万件が鉛管のままとなっています。

浄水場から繋がる給水管のうち、幹線部分の鉛管は各自治体が計画的に取り換えを行っていますが、家庭などに枝分かれする部分は住宅の敷地に埋設され、住民の自己負担で交換しなければなりません。

水道事業に詳しい北海道大の松井佳彦・名誉教授は、「国が改めて交換の必要性を強く周知し、手引を更新して事業者に配布して機運の醸成を図るべきだ」と話しています。

山口県在中のある男性は、2017年末頃に原因不明の体調不良に襲われ、吐き気や下血、痺れ、倦怠感が続き、年明けには立ち上がれなくなり、入院を余儀なくされました。

入院先の病院で、鉛中毒の可能性が疑われると診断され、検査を受けたところ、血中から平均値の約100倍もの鉛が検出されたとのことです。

これを受け、山口市の上下水道局が、男性と家族の住むアパートの水道水を調べた結果、最大で基準値の40倍を超える鉛が検出されました。

男性は「2015年に入居して以来、水道水を毎日数杯飲んでいました。妻と幼い娘2人に症状は出なかったものの、治療中も40度の高熱や全身の痛みが続き、『もう死ぬのかと思うほどつらかった』」と話しています。

男性は退院後も体調不良に悩まされ、アパートの大家を相手取って訴訟を起こし、最終的に約700万円の損害賠償を勝ち取りました。

鉛管の残存率は都道府県によって大きく異なり、香川県、石川県、岩手県など残存率の高い地域では、気づかないうちに鉛中毒を発症している人が大勢いる可能性があります。

◯画像:鉛製給水管なお203万件…20年前に全廃目標、水道管から溶け出し腹痛や神経のまひの恐れ より

しかし、水道管を交換するには、道路のアスファルトを取り除き、掘削して新たな水道管を敷設し、再舗装しなけばならない上、水道管の設計や施工を担う専門技術者を確保する必要があるため、交換費用は1kmあたり約2億円にも上るとされています。

こうしたコストの増大などにより、水道料金の値上げが進む自治体が増え、将来、水道料金の格差が20倍超に広がるとの試算も出ています。

全てのインフラ設備が改善され、人々が安心して暮らせる環境が整えられますことを心から祈ります。

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