【鹿児島県警】元巡査長が内部告発した情報提供先のニュースサイトの代表者を家宅捜査し、取材データを削除させたことが判明「正当な取材で得られた資料について、探索的に情報源関連の資料を家宅捜索し、差し押さえるという行為は前例がない。あってはならないことだ」

【鹿児島県警】元巡査長が内部告発した情報提供先のニュースサイトの代表者を家宅捜査し、取材データを削除させたことが判明「正当な取材で得られた資料について、探索的に情報源関連の資料を家宅捜索し、差し押さえるという行為は前例がない。あってはならないことだ」

鹿児島県警が、不祥事を隠蔽するためにニュースサイト「ハンター」の事務所を家宅捜査した上、取材データを強制的に削除していたことが判明しました。

ハンターの運営者・中願寺氏は、国会議員秘書の経歴を持ち、ハンターを「記者クラブとは一線を画し、調査報道を軸とするニュースサイト」と位置付け、外部ライターとともに記事の執筆を行っています。

中願寺氏は2022年3月、ハンターで「コロナ療養施設で職員が性行為 鹿児島県医師会に問われる規範意識」と題する記事を配信。

当時、県がコロナ感染者を療養させるために提供していたホテルで、鹿児島県医師会から派遣された男性職員が女性スタッフに対して強制的に性行為に及んだ事案を数回に分けて検証しました。

また、鹿児島県警中央警察署が、男性職員から性被害を受けたと訴えてきた女性を門前払いしていたことや、男性職員が元警察官の父親とともに鹿児島中央署を訪問、「合意の上での性行為だった」と申し立て、警察側から“事件性なし”というお墨付きをもらっていたことを暴いています。

◯コロナ療養施設で職員が性行為|鹿児島県医師会に問われる規範意識(1)

◯鹿児島県警による「家宅捜索(ガサ入れ)」の顛末|データ削除で問われる任意性

このほかにも中願寺氏は、鹿児島県警の「刑事企画課だより」の画像を公開し、事件記録の速やかな廃棄を促す記述などを問題視していました。

中願寺氏は、当時巡査長だった藤井光樹氏から内部情報を得ており、捜査情報が記載された「告訴・告発事件処理簿一覧表」などを入手し、今年2月に県警本部に資料を持参、県民に謝罪するよう迫ったこともあるそうです。

こうした状況の中、藤井光樹氏が内部情報を漏洩させたとして鹿児島県警に逮捕され、今月5日に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けました。

藤井光樹氏が逮捕された同日、中願寺氏も鹿児島県警から5時間に及ぶ家宅捜査を受け、10人ほどの捜査員によってパソコンや携帯電話のほか、取材ノート、強制性交事案の関係者の名刺などが押収されました。

中願寺氏によると、家宅捜索の翌日、押収品の一部は返却されたものの、藤井光樹氏から入手した処理簿一覧表と刑事企画課だよりのデータをパソコンから削除するよう警察から求められたとのことです。

中願寺氏は、警察から「流出すると大変なことになる」と説得されたことを明かし、「後者は特に元巡査長の事件と直接の関係はなく、データを消去させる理由がないはずだ。数年前には、県内の警察署で誰もが目にすることができた。『おかしいだろ』と抵抗したが、任意ではなく強制と思い込んでいたので、従わざるを得なかった」と話しています。

今年5月には、鹿児島県警の元警視・正本田尚志氏が、札幌在住のフリーライター・小笠原淳氏宛に内部告発を行いましたが、この件についても鹿児島県警は情報漏えいとみなし、逮捕・起訴しています。

◯鹿児島県警の本部長が女子トイレを盗撮していた警官の事件を隠蔽 隠蔽した情報を内部告発した元警官が内部情報漏洩で逮捕 不正を暴いた内部告発者は、公益通報者保護法に基づき保護される立場

中願寺さんは鹿児島県警の暴挙について、「本田さんの逮捕にしても、内部告発者は絶対に許さないという見せしめだ。鹿児島県警が守っているのは、県民ではなく県警そのもの。そのためには何だってやる。本来であれば、地元メディアが権力の暴走を監視し、声を大にして『おかしいことはおかしい』と言わなければならない」と述べ、怒りを露わにしています。

腐敗し切った警察組織の実態が全て明らかにされ、一切の不条理のない公正な社会となりますことを心から祈ります。

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