流通大手のイオンが、7月1日から240店舗で、AIを使って従業員の笑顔や声量を分析し、リアルタイムでフィードバックする「スマイルくん」を導入したことが判明し、物議を醸しています。
同社ではコロナ禍の影響であいさつが減少傾向にあり、「笑顔やあいさつのトレーニングを一から実施する必要がある」と判断、「従業員が主体的に体験・体感し楽しくトレーニングができるツール」として、スマイルくんの開発に着手したとのことです。
スマイルくんに向かって従業員が挨拶をすると、450以上の顔の表情の特徴点をもとに、目元や口元などの笑顔のポイントが100段階でスコアリングされます。
さらに、AIが声量、滑舌、調子(音程)をリアルタイムで分析し、笑顔・発声の完成度を即座にフィードバックする仕組みになっています。
昨年から一部の店舗で試験導入し、従業員が出勤したタイミングで1日30秒、スマイルくんによるトレーニングを実施したところ、導入から3ヶ月で笑顔とあいさつの実施率が約1.6倍に向上したそうです。
この結果を受け、イオンは新入社員が配属される店舗、また改装を計画する店舗を中心に、スマイルくんを導入するに至ったとしています。
スマイルくんを開発した「InstaVR」はイオンの他にも、VRを活用したストアスタッフ研修プログラムをファミリーマートに提供しているとのことです。
イオンの施策について、ネット上では「笑顔は大事ですが、強要はよくないですね」「自然な笑顔の店員さんは素敵だけど、強制された笑顔には好感持てないかも」といったコメントや、監視社会化を懸念する声が続々と投稿されています。
全てのテクノロジーが正しく用いられ、人々が快適に暮らせるより良い社会となりますことを心から祈ります。
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