高知県教育委員会は29日、来年度採用の小学校教諭について、合格者280人のうちおよそ7割にあたる204人が辞退したと明らかにしました。
高知県の教員採用試験は、数年前から他の地域よりも早い時期に行われるため、高知県を含む複数の自治体を併願し、他の自治体で合格した受験者が辞退するケースが多いと言われています。
そのため高知県は、辞退者が出ることを見越した上で、募集人数(130人)を超える280人を合格にしていたものの、辞退者の数が想定を大きく上回る結果となりました。
現在、追加合格者の13人を加えても、合計で89人の教員しか確保できておらず、今後、さらに辞退者が増える可能性もあるとのことです。
県の教育長は、今年12月に2次募集を行う方針を示し、教諭の確保に向けて「高知大の教育学部生に、仕事の魅力を発信する場を設けたい」と述べています。
近年、全国の教育現場では教員たちが厳しい労働環境に耐えかね、心身を患い、離職するケースが相次いでいるほか、教員になりたいと希望する人も減少し、慢性的な人手不足に陥っています。
○小学校教諭7割強が辞退 採用試験合格者280人中204人 高知県教委
こうした状況を受け、ネット上では「来年は、あちこちで教員不足が表面化しそうですね。本当に『担任がいない』という事態が起きるのではないでしょうか」「そもそも合格しても入職して働きたくなる労働環境ではありません」「そんなに辞退するには他に理由があり改善しない限りいくら募集掛けようが意味ないよ」といったコメントが殺到しています。
全ての子供たちが豊かに学ぶことのできる、健全な教育環境が整備されますことを心から祈ります。
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