
バス運転手の不足が深刻化する中、都営バスは今月、秋のダイヤ改正に合わせて206便を減らすと発表しました。
1日の利用者数63万人あまりの都営バスが10月のダイヤ改正で206便の減便を行いました。
業務委託先の会社の運転手不足だといいます。全国的にも深刻な運転手不足。地域の移動手段を守るには…
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— サン!シャイン (@sunshine_fujitv) October 6, 2025
都営バスによると、業務を委託している運行会社で運転手の確保が難しくなっており、品川、新宿、上野、葛西駅など利用者の多い主要路線を中心に、19路線、計206便の減便を決めたとのことです。
都営バスのほかにも、関東バスや小田急バス、国際興業バス、東急バス、西武バスなどが運転手不足を理由に減便しており、全体でおよそ400便が減便となりました。
東京都交通局によると、都営バスの運転手約2000人のうち、およそ6割が50代以上を占めている上、昨年度の採用人数は募集枠を30人ほど下回ったとのことで、運転手不足は今後さらに深刻化するとみられています。
人手不足の原因として、給与水準や休暇の取りづらさといった待遇面の課題に加え、体調不良者の代わりに休日出勤を強いられるなど、過重な労働環境などが挙げられています。
また、労働組合による調査の結果、関東のバス事業者の平均年間労働時間は2413時間と、運輸業全体の平均よりも250時間以上長いことが明らかになりました。
さらに、都内ではインバウンド需要の拡大に伴い、より高い賃金や柔軟な勤務条件を求めて、バス運転手がタクシー会社へ転職するケースも増えています。
バスの運転手不足は地方でも深刻化しており、北海道釧路市では修学旅行用のバスを確保できない事態が起きたため、17校が2~5校ずつのグループに分かれ、行き先や宿泊先をそろえる「合同修学旅行」を10月と11月の閑散期に実施しました。
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今後の対策としては、運転手の待遇改善と、それに伴う運賃の値上げを利用者がどこまで受け入れられるかが焦点となっているほか、大型二種免許ではなく、普通免許や中型免許で運転できる小型バスの導入なども検討されています。
さらに、外国人運転手の採用や自動運転バスの導入なども検討されていますが、日本語能力や接客面での課題に加え、自動運転バスによる事故も報告されており、人手不足の抜本的な解決にはなお時間がかかるとみられています。
インフラの維持管理が適切に行われ、誰もが安心して暮らせる社会となりますことを心から祈ります。
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