
ユニセフが先進国および新興国の計43カ国に住む子供を対象に「幸福度」を調査したところ、日本の子供たちの「精神的な健康度」は32位となったことが分かりました。
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— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) May 14, 2025
今回ユニセフが実施した調査は、経済協力開発機構(OECD)や欧州連合(EU)に加盟する国々を対象としており、「精神的な健康度」「身体的な健康度」「学力・社会的スキル」の3つの分野で子供たちの状況が評価されています。
日本は「身体的な健康」が前回(2020年)に続いて1位となり、「学力・社会的スキル」は12位と、前回の27位から大きく順位を上げ、総合順位も14位となっており、こちらも前回の20位から改善が見られました。
しかし、自殺率の高さなどが影響し、「精神的な健康度」は32位にとどまり、他の分野に比べて低い順位となりました。
ユニセフは、報告書の中で、先進国に暮らす子供たちの学業成績や精神的・身体的な健康がコロナ禍によって著しく低下したと指摘し、現代の子供は、疫病や紛争、異常気象といった不安定な環境の中で成長せざるを得ない状況にあると強調しています。
日本の子供たちは、身体的には健康であるものの、学業不振や進路に関する悩み、うつ病などで精神的に追い詰められているとみられ、調査対象となった43カ国の中で自殺率は4番目に高かったとのことです。
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この結果を受けて林官房長官は、「精神的な幸福度に関する結果は重く受け止めている。おととし策定した『こどもの自殺対策緊急強化プラン』に基づき、教育や普及啓発、早期発見の取り組みを進めるとともに、地域の中に安心して過ごせる居場所づくりを推進し、さまざまな困難を抱える子供や若者からワンストップで相談を受けられる体制の整備なども進めていく」と述べました。
その一方で、貧困問題に詳しい東京都立大の阿部彩教授は「日本では子供が精神的な問題を抱えるという意識が薄い。政府の対策も効果が出ていない」と指摘しています。
未来を担う子供たちが、心身ともに健康に成長できる環境が整備されますことを心から祈ります。
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