
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は9日、地図アプリ・グーグルマップ上で「メキシコ湾」が「アメリカ湾」と表記されていることを問題視し、グーグルを提訴しました。
BBCニュース – メキシコ湾を「アメリカ湾」と表記、米グーグルをメキシコが提訴https://t.co/fauHcgIJ0H
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) May 10, 2025
メキシコ湾は、北アメリカ大陸の南東部とメキシコの北東部に挟まれた湾で、1600年代からすでに「メキシコ湾」という名称で呼ばれており、国連でもこの名称が正式に認められています。
メキシコ湾の管轄権は、メキシコが約49%、アメリカが約46%、キューバが約5%とされていますが、アメリカのトランプは、大統領就任初日に「メキシコ湾をアメリカ湾と改称する」との大統領令に署名しました。
トランプ大統領は、メキシコ湾で「大半の仕事をしている」のはアメリカだとして、この湾は「自分たちのもの」だと主張し、名称変更は正当な措置だと強調しました。
これを受け、グーグルは仕様を変更し、アメリカからグーグルマップにアクセスした場合は「アメリカ湾」と表示されるようにし、メキシコからの場合は従来通り「メキシコ湾」、それ以外の地域からは「メキシコ湾(アメリカ湾)」と併記する形に切り替えました。
しかし、シェインバウム大統領は、この仕様変更に強く反発、グーグルに対して抗議の書簡を送り、「それなら“アメリカ”を“メキシカン・アメリカ”にしてはどうか」と皮肉を綴っていたとのことです。
また、シェインバウム大統領は、「アメリカ湾」の表記をやめるよう再三求めたにもかかわらず、グーグルがこれを無視したとして同社を提訴、「我々が望んでいるのは、米政府が出した命令の順守だけだ」と述べました。
その上で、アメリカには湾全体の名称を一方的に変更する権限はないと強く指摘し、名称を元に戻すよう要求しています。
トランプ大統領は、世界各地の湾の名称についても変更を検討しており、ペルシャ湾を「アラビア湾」と呼ぶ方針だとも報じられています。
イランのアッバス・アラグチ外相は、この「ばかげたうわさ」が「偽情報キャンペーンに過ぎないことを願う」と述べたうえで、こうした動きは「イラン人全員の怒りを買うことになる」と警告しました。
現在、グーグルはアメリカ政府からの圧力を受け、独占禁止法による解体の危機に直面していますが、トランプ大統領の意向に従うと、今度は他国から訴えられ、まさに“踏んだり蹴ったり”の状態となっています。
悪徳企業がこの地上から一掃されますことを心から祈ります。
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